漕ぎ手[語句情報] » 漕ぎ手

「漕ぎ手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

漕ぎ手の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
ふたり》の漕《こ》ぎ手が、水夫の中からつかみ出されなければならなかった。 この漕ぎ手に白羽の矢が立ったのは、鰹船《かつおぶね》で鍛え上げた三上と、舵取《かじと....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
西南寄り、神宮寺の方で潜って見やしょう」 「そうか。よし、船を廻せ!」 頼正は漕ぎ手に命を下す。 ギーと艪の軋る音がして、船隊は船首を西南に向けた。若殿のご....
幽霊船の秘密」より 著者:海野十三
しゃ叩いて、船員たちを叱りつけた。 一号艇は、また矢のように海面を走りだした。漕ぎ手たちは、おどろきをおさえて、ひたむきに漕いだ。 「櫂やすめ」――船長の号令....
『この果てに君ある如く』の選後に」より 著者:宮本百合子
いたましい事実である。歴史のはげしい波はこれらの女のひとたちから、生活のボートを漕ぎ手といっしょに奪ってしまった。溺れて死ぬまいとする婦人たちは、子供たちをかば....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
のだと申さずにはおられません。 湖も、波も、人も、舟も、すべて穏かであるのに、漕ぎ手だけが突変して荒っぽいものになってしまい、 船頭かわいや おんどの瀬戸で....
桃太郎」より 著者:楠山正雄
桃太郎と、三にんの家来は、さっそく、この船に乗り込みました。 「わたくしは、漕ぎ手になりましょう。」 こう言って、犬は船をこぎ出しました。 「わたくしは、....
立札」より 著者:豊島与志雄
が、空になって戻って来ます頃には、夜はもう明け放れて、町人たちは河岸に駆け出し、漕ぎ手の苦力たちを歓呼して迎えました。 匪賊たちが進路を対岸へ取ったのも、討伐....
無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
にいねむりをして、休んでおけ。島につけば、うんといそがしくなるから」 交代した漕ぎ手は、小声で、 「やんさ、ほうさ、ほらええ、ようさ……」 かけ声に合わせ、....
村芝居」より 著者:井上紅梅
連は船を停めてこちらを眺めて思わず喝采した。 平橋までは一里もあるらしかった。漕ぎ手も皆つかれた。無暗に力を出した上になんにも食わないからだ。その時桂生はいい....
運命のSOS」より 著者:牧逸馬
、六人の水夫がオウルを取っています。私は秘書のミス・フランクとずっと一緒でした。漕ぎ手は一生懸命です。船が沈むと、大きな渦巻が起ってボウトを吸い込むというので―....
浅瀬に洗う女」より 著者:マクラウドフィオナ
やく水晶の珠のように振り落とした。船首の浪は巻き上がり高く跳んだ。 その時突然漕ぎ手の一人が長く引く低い調子で剣のうたを歌い出した。 すると、みんなが漕ぐの....
」より 著者:岡本かの子
に映る。隅田川は、いま上げ汐である。それがほぼ八分の満潮であることは「スカールの漕ぎ手」室子には一眼で判る。 対岸の隅田公園の桜は、若木ながら咲き誇っている。....