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漕手
「漕手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
漕手の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「オリンポスの果実」より 著者:田中英光
ピアの中にあります。
艇を借りるとき、世話を焼いてくれた、親切な南加大学の補欠
漕手《サブそうしゅ》の上背も、六尺八寸はあり、驚《おどろ》かされたことでした。
....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
パには出来ないのだ。 五月×日 午前五時半出発、ファニイ、ベル、同道。通訳兼|
漕手《こぎて》として、料理人のタロロを連れて行く。七時に礁湖を漕出す。気分未だす....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
》しと、トリレミスとは、古ローマで細長い船の両側に長中短の櫓を三段に並べ、多くの
漕手が高中低の三列に腰掛けて漕いだもので、わが邦の蜈蚣船(『常山紀談』続帝国文庫....
「火薬船」より 著者:海野十三
よ。君もぼんやりしとるじゃないか。いまボートにのって出懸けたのは、事務長と六名の
漕手だから、みんなで七名だ。ところが今見ると、いつの間にやら八名になっている」 ....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
とんど同時にそのボートは押し出された。 だれも私に目を留める者がなく、ただ舳の
漕手が「お前かい、ジム? 頭を低くしていろよ。」と言っただけだった。しかし、シル....
「サレーダイン公爵の罪業」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
な態度で云った。 「ただいまボートが一双裏の船着きへ到着いたしましてございます、
漕手は六人で、ともの方には御一名の紳士が御乗りの様子で御座います」 「えっボート....
「競漕」より 著者:久米正雄
紫い!」などと言う声が錯綜して起った。審判艇は二つの艇を曳いて発足点へ向った。
漕手は皆艇の中へ寝ていた。久野は舵の綱をまさぐりながら、応援の声の多寡を聞き知ろ....
「リズムの構造」より 著者:中井正一
いでいる場合、そのリズムは数学的解釈の範囲を越える必要はない。しかし、それがよき
漕手の内面に立ち入って、一ストローク一ストロークのねらいが安心のいく域にまでねら....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
れた月光を湖面一杯に浴びて二艘の端艇は矢の様に水上を辷る。警官隊の舟は軽快な上に
漕手は二人である。速力の速さは比較にならぬと見て取った署長が満身の力を振って漕げ....
「アラン島」より 著者:片山広子
怒濤をくぐつて舟を漕ぎ出すとき、舟は小山のやうな浪の中に時々かくれて又現はれる、
漕手は恐れげもなく愉しさうに漕いでだんだん遠く出て行く景。すさまじい暴風の中で岩....