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「漢籍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

漢籍の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
るのだった。ある小さな銀行の常務取締だったが、銀行には一週に一度より出勤せずに、漢籍《かんせき》と聖書に関する書物ばかり読んでいた。煙草も吸わず、酒も飲まず、道....
新生」より 著者:島崎藤村
とし》に東京へ出て来た時、初めて身を寄せたのはこの人の家であって、よくこの人から漢籍の素読なぞを受けた幼い日のことを思出すことが出来る。岸本がこの人と姉との側に....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ふくろが承知するかな」 「夜学に行くことにして出ます」 長三郎は護国寺門前まで漢籍の夜学に通うのであるから、両親の手前はその夜学にゆくことにして怪しい蝶の探索....
渾沌未分」より 著者:岡本かの子
ぼ何でもあんまり負け惜しみ過ぎる」と悲しく疎まれた。 今夜はまたとても高踏的な漢籍の列子の中にあるという淵の話を持ち出して父は娘に対する感情をカモフラージュし....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
本陣問屋に伍して行くことすら彼には心苦しく思われて来た。 奥の部屋の方からは、漢籍でも読むらしい勝重の声が聞こえて来ていた。ときどき子供らの笑い声も起こった。....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
ら。そうです、あの喜多村さんがわたしの教師です。なかなか話のおもしろい人でした。漢籍にもくわしいし、それに元は医者ですから、医学と薬草学の知識のある人でした。わ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
の夫の家を去り、その母と共に南殿村の稲葉の家に養われたのがおまんだ。婦人ながらに漢籍にも通じ、読み書きの道をお粂に教え、時には『古今集』の序を諳誦させたり、『源....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
うなことがあるようである。 空腹はなかなか隠せないものらしい。 子供の時分に漢籍など読むとき、よく意味のわからない箇所にしるしをつけておくために「不審紙」と....
『新訳源氏物語』初版の序」より 著者:上田敏
、殊に貴婦人語にすこぶる近いものだろう。故事出典その他修辞上の装飾には随分、仏書漢籍の影響も見えるが、文脈に至っては、純然たる日本の女言葉である。たとえば冒頭の....
まぼろし」より 著者:国木田独歩
七年以前、故郷のある村の村塾で初めて見た。かれは当時、村の青年四、五名をあつめて漢籍を教えていた。 自分は当時、かれを見るごとに言うべからざる痛ましさを感じた....
マーカス・ショーとレビュー式教育」より 著者:寺田寅彦
それについて先ず何よりも先に思い当るのは現代の教育のプログラムである。 習字と漢籍の素読と武芸とだけで固めた吾等の父祖の教育の膳立ては、ともかくも一つのイデオ....
離魂病」より 著者:岡本綺堂
三百五十石取りの旗本の屋敷があった。その隠居は漢学者で、西岡や叔父はかれについて漢籍を学び、詩文の添削などをしてもらっていた。隠居は采石と号して、そのころ六十以....
わが妻の記」より 著者:伊丹万作
ルストイにそつくりの老人で税務署長、村長などを勤め、晩年は晴耕雨読の境涯に入り、漢籍の素養が深かつた。 私の生れは四国のM市で、妻の生れは同じ市の郊外である。....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
その当時においては確かに少年俳優中の王者であった。かれは一方に学問をこころざして漢籍をよみ、英語を巧みにしたと伝えられている。その弟の宗之助は兄の臨終の節に同伴....
「エタ」名義考」より 著者:喜田貞吉
た時代であったのである。そして触穢禁忌の思想の盛んなこの時代に於いて、仏典に通じ漢籍に明るく、おそらくは僧侶であったかと思われるこの「塵袋」の著者が、「穢多」の....