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「漢薬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

漢薬の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
がた新来者の宿を訪れた。 そこは、折竹と懇意な漢人の薬房で、元肉、当帰樹などの漢薬のくすぶったのが吊されている。店をとおって奥まった部屋へとおされた。そこには....
死までを語る」より 著者:直木三十五
いう驚きであった。家は、木薬《きぐすり》店(生薬が正しいか)で、西洋流の売薬と、漢薬との混沌期であったらしく、店先に、蜜柑の皮が、一杯干してあったのを憶えている....
白くれない」より 著者:夢野久作
如く棚引き籠もれり。 其処までわれを誘ひ入れし若き唐人は、やがて吾を長崎随一の漢薬商、黄駝となん呼べる唐人に引合はせぬ。 其の黄駝といへる唐人、同じく三拝九....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
って病気のつらさが分ったと仰云っていらっしゃいます。今私が盲腸のために飲んでいる漢薬の医者へハガキをかいて、腎ウ炎の余後のためによい薬を送って貰うことにしました....
田沢稲船」より 著者:長谷川時雨
らぬということであるし、匕を持つといえば内科医のことだった。これは漢法医が多く、漢薬は、きざんであったのを、盛りあわせて煎《せん》じるから、医者は薬箱をもたせ、....
物理学の要用」より 著者:福沢諭吉
なりと公言して、医術は憶測に出ずるものかと誤まり認《したた》め、無稽《むけい》の漢薬を服して自得する者あり。その愚の極度にいたりては、売薬をなめて万病を医せんと....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
今度は薬研を引きよせて、桂皮か何かをザクザクと刻みはじめる。 「おれは医者だから漢薬蘭薬なんでも売るが、病気は薬で癒らない。まして心煩――神経衰弱なぞはてこずり....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
の病人にのます薬かの」 「御意にございます。所詮、ああまでの状態になりましては、漢薬の利き目おぼつかなく存じますので、実は、今日ふと思いつきました蘭薬の処方を持....
新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
論者はよく、近来の漢法薬の復興をもって、東洋医学の権威を主張しようとするが、その漢薬が本統に何病かに利くということや、それが何病であるかという、臨症上のことは、....