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漱
「漱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
漱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「温情の裕かな夏目さん」より 著者:内田魯庵
ぼしておられたことを記憶している。 左様、原稿紙も支那風のもので……。特に夏目
漱石さんの嫌いなものはブリウブラクのインキだった。万年筆は絶えず愛用せられたが、....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
二三日前、画家のK氏が東京から来て麻川氏の部屋のメンバーになった。噂によれば夏目
漱石先生が津田青楓氏を師友として居た以上K氏と麻川氏は親愛して居るのだそうだ。K....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
が混じているようにも見ゆる。けれど私は思う。それは確かにいいことではなかったと。
漱石氏のごときも、その点は私は常に不満であった。聖書や『歎異鈔』のなかには皮肉の....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
夥多しかった。伝説じみるが事実である。が、その時さえこの川は、常夏の花に紅の口を
漱がせ、柳の影は黒髪を解かしたのであったに―― もっとも、話の中の川堤の松並木....
「岡本一平論」より 著者:岡本かの子
ぎりを見ました。 その頃の氏の愛読書は、三馬や緑雨のものが主で、其他|独歩とか
漱石氏とかのものも読んで居た様です。 酒をのむにしても、一升以上、煙草を喫えば....
「露肆」より 著者:泉鏡花
の臭い、舌の粘々するお方がありましたら、ここに出しておきます、この芳口剤で一度|
漱をして下さい。」 と一口がぶりと遣って、悵然として仰反るばかりに星を仰ぎ、頭....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
しその本は私も今まで読んでいたアンデルセン童話集であったのだ。私は家へかえって、
漱石の坊ちゃんだと父に告げた。何故、そんなことにわざわざ嘘をつくのか、その原因は....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
僕も幸福ではなかった。しかし少くとも平和だった。僕は砂利を敷いた門の中を眺め、「
漱石山房」の芭蕉を思い出しながら、何か僕の一生も一段落ついたことを感じない訣には....
「飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
或木曜日の晩、
漱石先生の処へ遊びに行っていたら、何かの拍子に赤木桁平が頻に蛇笏を褒めはじめた。....
「生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
力を借りずにできますからして、そうすると私をつくったものの心が現われてくる。夏目
漱石さんの「則天去私」は、
漱石さんのつもりでは天に則して私を去るのであります。私....
「明治の戦争文学」より 著者:黒島伝治
主義運動に対立して平行線的に進行をつゞけた写生派、余裕派、低徊派等の諸文学(夏目
漱石などその門下、高浜虚子、長塚節、永井荷風、谷崎潤一郎等)については、森鴎外が....
「歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
主観排除せられて、虚心坦懐の気分にぽっかり浮き出た「非人情」なのではなかろうか。
漱石の非人情論は、主旨はよくて説明のあくどい為に、論理がはぐれて了ったようである....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
い鼠色に塗られてしまった。 顔を洗うことは出来ない、僅かに茶碗に一杯の水で口を
漱いで小屋に入る。宗忠は飯を炊き始める。水桶に移すと、今度は宗平が飯を炊く、見る....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
チベットのラサから来たということを信用されない。じきに疑われるです。朝起きて口を
漱ぐという習慣はあちらには決してないのですから。その儘お経を読んで居ると茶をくれ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
とはこの事であろう。 斧はうなずく。 「則天無私。」「則天無私。」 ちょい。
漱石の非人情もここまで来ればおもしろい。 天とは、言葉を換えていえば、「絶対の....