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「漸次〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

漸次の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
想片」より 著者:有島武郎
クスの唯物史観をかくのごとく解するものである。 ところが資本主義の経済生活は、漸次に種子をその土壌から切り放すような傾向を馴致《じゅんち》した。マルクスがその....
時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
ろん彼らはそれに満足するはずがない。かくて日本には今「遊民」という不思議な階級が漸次《ぜんじ》その数を増しつつある。今やどんな僻村《へきそん》へ行っても三人か五....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
の衝突の仕方によって、いちいちその後の進化が影響されるのである。 時間の概念の漸次に変ってきた道程は奇妙なものである。カルデア人が三、四万年の昔に既に天文学的....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
明け放たれた。起出てみたが、夢のような気がする。 六月十日 敵機の本土爆撃は漸次頻繁、大規模となりつつあるが、四月十六日から五月三十一日までの空襲被害状況と....
転機」より 著者:伊藤野枝
事のひまひまには、黙って一人きりでその問題について考えていた。Tのいったことも、漸次に、何の不平もなしに真実に受け容れる事ができてきはしたけれど、最初からの私自....
妖僧記」より 著者:泉鏡花
、恍惚たるもの久しかりし、乞食僧は美人臭しとでも思えるやらむ、むくむく鼻を蠢かし漸次に顔を近附けたる、面が格子を覗くとともに、鼻は遠慮なく内へ入りて、お通の頬を....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
たちは、こう言って自己の感想を説明していた。 「すべて手に触れ、眼に見える物体は漸次に空虚な、軽い、透明なものに化するもので、謂わば夜の闇に光る影のようなもので....
不周山」より 著者:井上紅梅
ら、なおもそれを作っては、出来たものはみんな自分の体の周囲に置いた。だがそれらは漸次に遠くへ行き、多く饒舌るようになり、彼女も段々理解できなくなり、ただ耳のあた....
」より 著者:上村松園
応もっともな考えである。 このめざし時代は十歳ころまでで、それ以上の年になると漸次のびた髪をうしろへ投げかけて剪り揃えて置く。 それがもっと伸びると振分髪に....
妖怪学一斑」より 著者:井上円了
るものであるかどうかということに疑いを起こし、従来道理の外に存しておったものが、漸次学術の進歩に従ってだんだんこれを研究し、今日はすでにこれを道理の中に加えて、....
帯の巾が広すぎる」より 著者:上村松園
く寛文時代で女の振袖の長さが一尺五寸、左右合わせて六尺となっております。ところが漸次これが風流に取り扱われて長くなりました。今日では帯が極度に発達致しましたし、....
活人形」より 著者:泉鏡花
は疲れ、小指の疵の痛苦劇しく、心ばかりは急れども、足|蹌踉いて腰|起たず、気さえ漸次に遠くなりつ、前後も知らでいたりけるを、得三に見出されて、さてこそかくは悪魔....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
ニー湾上にはじめて植民を開きし当時に起源す。クックの碑はシドニー公園にあり。爾来漸次に発展し、百二十年にして今日の盛況を見るに至れるは驚くべし。家屋は三階ないし....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
満州軍の不安は実に満州国の不安を示しているのである。満州国内に於て民族協和の実が漸次現われ、民心比較的安定した支那事変勃発頃の満州軍は、恐らく最良の状態にあった....
色盲検査表の話」より 著者:石原忍
され、これを世界各国の各種雑誌機関を通じて公表することとなりましたため、石原表は漸次世界に識られ、各国の眼科教科書にも掲載されるようになったのであります。そして....