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「漿液〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

漿液の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
んなに傍へ寄り合うのは六七年振りだった。初めのうちはこんなにも大人に育って女性の漿液の溢れるような女になって、ともすれば身体の縒り方一つにも復一は性の独立感を翻....
食魔」より 著者:岡本かの子
拡がった。 アンディーヴの截片はお絹の口の中で慎重に噛み砕かれた。青酸い滋味が漿液となり嚥下される刹那に、あなやと心をうつろにするうまさがお絹の胸をときめかし....
河明り」より 著者:岡本かの子
男のことなぞ」 と嘲って呆れるのであるが、なおその想いは果実の切口から滲み出す漿液のように、激しくなくとも、直ぐには止まらないものであった。 何がそうその男....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
かけているのではないかという心配がありましたが、二十八日傷からしみ出しているのが漿液《しょうえき》とわかり、糸を切ってその水をよくとったらば熱もすっかり下り二十....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
もこんな好結果で。経済的な点からもよい時期でしたし。 きのうから、もうすっかり漿液の浸潤もなくなりました。きょうはどうかしら。まだ交換がないから、わからないが....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
はないというわけですから。今みえないのは、まだ眼底に充血が残っていて、細胞の間に漿液のようなものがしみ出しているのだそうで、それを吸収させるために新しくヨードカ....
キャラコさん」より 著者:久生十蘭
ャリシャリいう、なんともいえない歯あたりと、どこか、すこしばかりピリッとした甘い漿液《しる》! 四半桶の秣《まぐさ》と、ひと握りの糠《ぬか》しか食べていない、....
『偶像再興』序言」より 著者:和辻哲郎
ほとんど顧みられない。破壊者はただ対象の堅い殻にのみ目をつけて、その殼に包まれた漿液のうまさを忘れている。しかし生活を全的に展開せしめようとするものは、この種の....