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「潜在〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

潜在の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
れいにぬぐい取ってしまおうとしていたのだ。君はだんだん私の意識の閾を踏み越えて、潜在意識の奥底に隠れてしまおうとしていたのだ。 この短からぬ時間は私の身の上に....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
らなかった。氏が凡ての虚偽と堕落とに飽満した基督旧教の中にありながら、根ざし深く潜在する尊い要素に自分のけだかさを化合させて、巌のように堅く立つその態度は、私を....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
しかし今日、静かに研究して見ると、第一次欧州大戦前に、持久戦争に対する予感が潜在し始めていたことがわかります。ドイツでは戦前すでに「経済動員の必要」が論ぜら....
深夜の市長」より 著者:海野十三
えがある。 「ほほう。してみると、これは丸の内十三号館の近所に違いない」 僕の潜在意識が、円タクをここへ命じたのであろう。丸の内の十三号館、大いによろしい。今....
河明り」より 著者:岡本かの子
うか、今はあんな娘であるにしても根が女のことだから、今は聞き流していても、それを潜在意識に貯えて、いつ同じ女の根性になって来ないものでも無い……そんな怖れからこ....
軍用鼠」より 著者:海野十三
ょっとすると、これは梅野十伍自身は自覚しないのに彼の顔が鼠に似ていて、それでその潜在意識が彼にこんな筋を作らせたのではなかろうか。そうなると彼は急に気がかりにな....
」より 著者:池谷信三郎
が愛情を感ずるあらゆる女性に対して懐いていた憎悪の感情が、私の身体の中に、蒼白い潜在意識となって潜んでいて、それがまだあどけない私の瞳の底に、無意識的に、暗の中....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
説があるが、是は全く右数種の自動書記と相違している。心霊科学に何等の実験がなく、潜在意識の所産などなどと説く懐疑者の迷を醒ますに足ると思う。 小櫻姫物語は解説....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
綴るのは煩わしきに過ぎ、又|入神状態に於て口で喋るのは、その全部を保存し難く、又潜在意識の闖入を、充分に防止し得るとは保証し難い所がある。 『私は一冊の手帳を求....
キド効果」より 著者:海野十三
に興奮曲線の分解に成功し、異常興奮曲線を摘出したばかりか、人間に遍く異常性素質の潜在していることを指摘し、これをキド現象と名付けたのだから、誰しも駭くのも無理は....
決闘場」より 著者:岡本かの子
押されて彼等は互に対する平常の気持ちの我慢を突き破った。アイリスを中に挟んで日頃潜在して居た二人の憎悪が表面切って燃え立った。 ジョーンの父は庭師であった。近....
妖怪談」より 著者:井上円了
と、きらきらと星は光り輝くのであります。 さように、われわれの夢は心の中に常に潜在して、ほかの活動やまば、ただちに出でんとしております。さめたるときは強きほか....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
に難かしく面倒臭くなるが、畢竟は二葉亭の頭の隅のドコかに江戸ッ子特有の廃頽気分が潜在して、同じデカダンの産物であるこういう俗曲に共鳴したのであろう。これを日本国....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
露西亜文学を渉猟し初してから何時の間にか露国思想の感化を受けると同時に、それまで潜在していた文学的興味、芸術的意識が俄に頭を擡上げて来て当初の外交官熱が次第に冷....
金山揷話」より 著者:大鹿卓
市岡が非業の最期を招いた事への憤りなのか、自分にもわからなかった。あるいはもっと潜在的な道義感があって、自分達がこうして余り痛切なかんじもなく、人間の死について....