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潜在的
「潜在的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
潜在的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
いうことであった。 自分の場合のかんしゃくは結局、病気がたいした事でないという
潜在的な自覚から、いくらやんちゃを言っても家族が大丈夫|遁げ出さないという自負心....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
に腰かけながら、あまり好きでないこの小禽の動作を見守っていたものだが、いくらかの
潜在的な予感もあったので、葉子のこの小禽に対する感情をそれとなく探るような気持も....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
。ただ映画のこの感覚主義が不純である時、と云うのは感覚を何等かの感性的な行動への
潜在的な手段と見たり、感性的な連想の手段と見たりする時、その時に限って、映画のエ....
「科学と文学」より 著者:寺田寅彦
行文の惰力が作者の頭に反応して、ただ空で考えただけでは決して思い浮かばないような
潜在的な意識を引き出し、それが文字に現われて、もう一度作者の頭に働きかけることに....
「連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
であるというだけでなく、一般心理現象中で他の場合にはあまり現われないような特異な
潜在的現象を追跡し研究するための一つの新しい道を啓示するような事にもなりはしない....
「映画芸術」より 著者:寺田寅彦
されているのであるが、これらは畢竟いずれも二つの連接句のおのおのに付属した二つの
潜在的心像がいかなる形において連鎖を作るかというその様式の分類にほかならないので....
「俳諧の本質的概論」より 著者:寺田寅彦
なる一断面を捕えて表現せよ、ということである。本体を表現するに現象をもってせよ、
潜在的なる容器に顕在的なる物象を盛れというのである。本情といい風情というもまた同....
「技術の哲学」より 著者:戸坂潤
に過ぎない、ということを見逃してはならないのである。 既成の技術家に就いては、
潜在的失業が生活の外見上の安定となって現われているが、処が技術家の候補者によって....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
るために、この案を立てたというのである。処が、小学校の××教員達というのは、その
潜在的な勢力の圧力によって、例の幼年学校式師範教育の束縛を断ち切った連中ではなか....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
に肉慾的な願望が必ず潜在しているものだと断定してよろしいだろう。 そして、その
潜在的な願望は、綱のきれた風船の状態では、かなり露骨に表面へ浮びでてくる。 彼....
「悲願に就て」より 著者:坂口安吾
は甚だ聡明である。このことに気付かない筈はないと思うが、知りすぎるために、却って
潜在的に傷を遠距かり、労わろうとする不可抗力を受けるのであろうか。だがこの逃避的....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
肉体におけるがごとく精神にも大きな影響を持つものである。恋愛の決定的行為に対する
潜在的な嫌悪の情は、その行為が行なわれようとするときヒステリックな痙攣状態を引き....
「金山揷話」より 著者:大鹿卓
市岡が非業の最期を招いた事への憤りなのか、自分にもわからなかった。あるいはもっと
潜在的な道義感があって、自分達がこうして余り痛切なかんじもなく、人間の死について....
「澪標」より 著者:外村繁
の中には、今ははっきりとした記憶はないが、多分女の姿もあっただろう。 すると、
潜在的には、私は常に女の体を求めていることになる。更に要約すれば、私の性欲は女の....
「一九三七年を送る日本」より 著者:戸坂潤
うものも世論でないとは云えない。だが又、公式には到底発現出来ないような併し周知の
潜在的見解が、であるから真実でないなどと云うことは出来ない。公的には世間の表面に....