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潮する
「潮する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
潮するの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「相撲」より 著者:寺田寅彦
こぶを入れて見物したものである。ひいきということがあって始めて相撲見物の興味が高
潮するものだということをこの時に始めて悟ったのであった。夜熊本の町を散歩して旅館....
「鼻の表現」より 著者:夢野久作
。これが極端になると普通の嫌なものに出合った時と同様に「鼻をしかめる」、もっと高
潮すると「鼻をそむける」なぞいう表現にかわります。又同じような表現で「鼻をつまむ....
「死後の恋」より 著者:夢野久作
の中を這いずり始めました。草の根方に引っかかるたんびに、眼も眩むほどズキズキと高
潮する股の痛みを、一生懸命に我慢しいしい森の方へ近づいて行きました。 何故その....
「十月の文芸時評」より 著者:宮本百合子
現における社会性の評価であった。二三年前プロレタリア文学運動に蹉跌を生じ急速に退
潮するとともに、文芸復興の声が高くあがった。それには、当時として必然なさまざまの....
「将棋の鬼」より 著者:坂口安吾
に、ニュウと腕をつきのばして、すでに応手をヒョイとさしている。木村の顔がサッと紅
潮する。何を小癪な、その気ならば、というわけだろう、今度は升田の指がまだコマから....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
とわたしが信じかねたほど、たちまち有頂天の歓びを見せた。こうして、頬が嬉しさに紅
潮すると、眼が輝き、その瞬間にわたしが、この男も御婦人と同じように美しいなと考え....
「地上」より 著者:島田清次郎
きった肉付や、はっと気づくと恐ろしく大きな喨々たる声音で話している自分の声や、高
潮する熱情に驚いた。最も有望な、最も危険な時期が自分に来ていることは彼にも分った....
「文化史上より見たる日本の数学」より 著者:三上義夫
『不休綴術』があれだけでまとまった一冊のものになっているというのは、この精神を高
潮するためのものであったことはいうまでもあるまいと思われるのである。 零約術と....
「随筆 寄席囃子」より 著者:正岡容
んて……。 もしそれ「お直し」に至っては最後近くあの特異な生活の夫婦の愛情に高
潮するあたり、劣等感は微塵も起こらず、まさしくモーパッサンあたりの名小説を読むの....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
といって天使的願求は私にそれを許しません。この頃の私はこの両方の要求がどちらも高
潮するのです。この頃私には性の要求が堪えがたきほど強くなりました。ことにお絹さん....