潮干狩[語句情報] » 潮干狩

「潮干狩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

潮干狩の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
職工と微笑」より 著者:松永延造
れようとしている癖に、二人で川へなぞ入れるものかい、馬鹿! 手前等は引き潮の時に潮干狩りでもしやがれ。二人で引かき合え。喰いつき合え。だが何うして一緒に姉妹心中....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
「はっきりいいなよ、遊んだことでもあるのかい」 「いいえ、その、なんですよ、去年潮干狩りに行ったとき、おれもこういういきな家で、五、六日しみじみと昼寝をしてみた....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
月三日で大潮にあたるというので、老人は近所の人たちに誘われて、ひさしぶりで品川へ潮干狩に出かけると、花どきの癖で午頃から俄か雨がふり出して来た。船へ逃げ込んで晴....
栄螺」より 著者:田畑修一郎
中国地方の花崗岩の地質のためか、海岸はいわゆる白砂で、水もきれいだ。東京で羽田の潮干狩に行って汚いのにこりた。そのためもあるが、東京に住みついてから十一年ばかり....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
にとってどちらでもいいのだ。 蟹は唯反抗し、威嚇さえすれば、それで充分なのだ。潮干狩の季節が来た。 潮干狩に往って、貝を拾い、魚を獲るのは、それぞれ異った興....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
全く断《き》れて石ころの堆《うずたか》いところ、その間を、茸狩《きのこがり》か、潮干狩でもするような気分で、うかうかと屈伸しながら歩んで行くと、当然、到着すべき....
丹下左膳」より 著者:林不忘
かするととまっているようで、ちょうど案山子《かかし》のように眺められるのだった。潮干狩のうわさも過ぎて、やがては初夏のにおいも近い。 遠くの野に帯のような黄色....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
長くなるからこれでおやめにいたしましょう。きょうは寒いこと。それなのに大潮の由。潮干狩、この寒さでやる人もあるかしら。虹ヶ浜に潮干狩があるのでしょうね、やっぱり....
釣り師の心境」より 著者:坂口安吾
終戦の年の五月の頃であったが、私は焼野原をテクテク歩いて、羽田の飛行場の海へ、潮干狩りに行った。四面焼け野原となって後は、配給も殆どなく、カボチャや豆などを食....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
合点長屋を中心に大供子供を駆り集め遅蒔《おそま》きながら、吉例により今日は品川へ潮干狩りにと洒落こんだのである。時候のかわり目に当てられたと言って、葬式《とむら....
年中行事覚書」より 著者:柳田国男
に出て楽しく飲み食いして遊ぶ風は、ほとんと全国の隅々にまで行き渡っている。東京の潮干狩などもその一つの変化というに過ぎない。前年私は対馬の西北海岸づたいに、この....