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潮気
「潮気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
潮気の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「村の怪談」より 著者:田中貢太郎
さうれと云った。その時分には、好く海岸に大きな波が立って海が脹らんだように見え、
潮気を含んでべとべとするような風が吹いて、麦の穂の上を白い蝶が物憂そうに飛んだ。....
「風に乗って来るコロポックル」より 著者:宮本百合子
日の目も見えないほど、霧に攻められなければならなかった。 今日も霧、明日も霧。
潮気を含んで、重く湿っぽいガスは、特有のにおいを満たしながら、茅葺き小屋のらんま....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
まっ黒な闇につつまれている。 昼間の、あの焼けつくような暑さは、もうどこへやら
潮気をふくんだ夜風が、刃物のように冷たい。 風がつのってきたらしく、波頭が白く....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
てからの他の歌とも共通し、概して分かりよくなっている。 ○
潮気たつ荒磯にはあれど行く水の過ぎにし妹が形見とぞ来し 〔巻九・一七九七〕 柿本....
「南島譚」より 著者:中島敦
。部屋中探したが見当らぬ。服のポケットにも無い。父親譲りの古いウォルサムもので、
潮気と暑気とのために懐中時計の狂い勝ちな南洋にあっても、容易に狂いを見せない上等....
「春の雁」より 著者:吉川英治
ごろりと横になった。 葉桜がどこかで風になっている。ここの風にはじっとりと
潮気があった。若い手足をのびのび投げて吹かせていると、 だまされて いるのが遊び....