潰え[語句情報] » 潰え

「潰え〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

潰えの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河明り」より 著者:岡本かの子
し繰り返し海へ注ぎ落ちる。垣のように水平線をぐるりと取巻いて、立ち騰ってはいつか潰える雲の峯の、左手に出た形と同じものが、右手に現れたと思うと、元のものはすでに....
賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
思われるのである。丹羽長秀、これを見て時分はよしと諸砦に突出を命じた。北国勢全く潰えて、北へ西へと落ちて行った。小原新七等七八騎で、盛政等を落延びさせんと、小高....
小田原陣」より 著者:菊池寛
ある。 六月二十二日には、関東の強鎮八王寺城が上杉景勝、前田利家の急襲に逢って潰えて居る。石田三成の水攻めにあいながらも、よく堅守して居る忍城の成田氏長の様な....
高島異誌」より 著者:国枝史郎
書いてある。 「(前略)妖火静まつて後を見れば、寂寥として一物無く、家屋広園悉く潰え、白骨塁々雑草離々人語鳥声聞ゆるもの無し。而て白骨は彼の家人、即ち妾婢幼児な....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
福な道を歩む事が出来たのだった。 それが長い七年の後、思いがけなくも一朝にして潰えて終ったのだった。 夫が彼女と結婚する以前に既に前科を四犯も重ねていようと....
運命」より 著者:幸田露伴
ろとなり、遂に※忠、顧成、劉燧を失うに至れり。ただ炳文の陣に熟せる、大敗して而も潰えず、真定城に入りて門を闔じて堅く守る。燕兵|勝に乗じて城を囲む三日、下す能わ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
切がその価値を転倒し始めていた。急激に時世遅れになって行く古い武器がある。眼前に潰えて行く旧くからの制度がある。下民百姓は言うに及ばず、上御一人ですら、この驚く....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
い櫛や珠玉の類がバラバラと落ち散っている。 第五になると、今一歩進んで、眼球が潰え縮み、歯の全部が耳のつけ根まで露われて冷笑したような表情をしている。一方に臓....
雪たたき」より 著者:幸田露伴
くも見交さぬに、 「アッ」 と前の女は驚いて、燭台を危く投げんばかりに、膝も腰も潰え砕けて、身を投げ伏して面を匿して終った。 「にッたり」 と男は笑った。 主....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
尊奉する処にあり、……上に対しては皇軍の忠誠、下に対しては皇軍の威信、正に是処に潰えんとす。その影響の重大なる、機関説の如きに比すべくもなし、軍部諸将以て如何と....
大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
った。明治元年正月三日から、六日に渡って行なわれたのであった。そうして幕軍大いに潰え、六日夜慶喜は回陽丸に乗じ、海路江戸へ遁竄した。 ここでいよいよ朝廷に於て....
南国太平記」より 著者:直木三十五
て、突き出ていた刀が、地上へ落ちた。浪人は、岩角から崩れるように、背を擦りながら潰えてしまった。小太郎は、血刀を下げてこっちへ戻りかけた。 「ううっ――うむーん....
知々夫紀行」より 著者:幸田露伴
てなせるが如し。入口の上框ともいうべきところに、いと大なる石を横たえわたして崩れ潰えざらしめんとしたる如きは、むかしの人もなかなかに巧みありというべし。寒月子の....
三国志」より 著者:吉川英治
軍の中を荒しまわっていた。 さんざんなのは、公孫※の軍だった。一陣破れ、二陣|潰え、中軍は四走し、まったく支離滅裂にふみにじられてしまったが、ここに不可思議な....
黒田如水」より 著者:吉川英治
に参って、主将の別所小三郎と、一族の者に会い、篤と談じつけます。――まず、荒木も潰え、その荒木をすら、毛利が捨てて見殺しにしたではないかと、あきらかに利害成敗を....