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潰走
「潰走〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
潰走の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鳥羽伏見の戦」より 著者:菊池寛
軍を側面より砲撃せしめた。幕軍の狼狽察すべしである。 このあたりから、幕軍全く
潰走して、大阪へ逃げるものあり、紀州に落ちるものあり、桑名藩士等は大和から本国へ....
「小田原陣」より 著者:菊池寛
とは片腹痛い、兵力で来るなら平の維盛の二の舞で、秀吉など水鳥の羽音を聞いただけで
潰走するだろうと豪語したと云う。上方勢は、柔弱だと云う肚が、どっかにあったのであ....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
いというのであった。 一八一四年、ナポレオンがライプチヒの戦に敗れてその本国に
潰走した時、当時ハイデルベルヒの大学教授であったティボー(Thibaut)は、ド....
「播州平野」より 著者:宮本百合子
、乗り合わせたこの列車が、ただの列車でなかったことを知った。これは明らかに一種の
潰走列車である。 斜隣りの海軍士官がどこかへ立って行って帰って暫くすると、再び....
「伸子」より 著者:宮本百合子
佃は、そのようなことはちっとも感じないらしかった。前晩寝床の上で背中を丸め「軍は
潰走《かいそう》した。我等は勝利を得、敵将五人を捕虜とし云々」と下読みしておいた....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
向いてメズサの前髪を敵に向って城壁上に三度さし上げると、敵極めて怖れ、ことごとく
潰走したという。前髪さえかくのごとくだから、よほど怖ろしい顔と見える。かくてギリ....
「巌の花」より 著者:宮本百合子
この時期の評論が、どのように当時の世界革命文学の理論の段階を反映し、日本の独自な
潰走の情熱とたたかっているかということについての研究は、極めて精密にされる必要が....
「解説(『風知草』)」より 著者:宮本百合子
方法の理論は、不幸にして日本につたえられた時期が、そういうプロレタリア芸術運動の
潰走期であったために、忽ち、これまでの日本プロレタリア芸術運動の方針を否定する便....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
う駄目だと見て取った。 吾々が敏捷に一斉射撃を返したので、謀叛人どもはもう一度
潰走したのだろうと思う。吾々はその上もう妨害を受けずに、その可哀そうな年寄の猟揚....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
会戦を期して進軍していた時、その小軍勢は突然|狼狽《ろうばい》し出して、森の中に
潰走《かいそう》してしまった。「謀叛《むほん》だ!」と叫びながらだれも皆逃げ出し....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
った。しかし彼らは長くそうしてはいまいとつとめた。憤激してる逃走者らは、自分らの
潰走《かいそう》をつぐなうために、追っかけてくる者どもをののしり、一撃をも受けな....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
た。もとより異議を立てる者もあったが、多くの専門家の意見によれば、退却はそこでは
潰走《かいそう》に終わるのほかはなかったであろう。
ウェリントンは、シャッセの....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
て街路の先端に退却し、再び闇夜《やみよ》のうちに見えなくなってしまった。先を争う
潰走《かいそう》だった。
防寨《ぼうさい》は回復された。
五 ジャン・プルー....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
高原に向け、これはアジアゴ市を目標とした。 そして、猛烈な火砲戦に、算を乱し、
潰走する伊軍を追うて、まもなく、その両市を占領することができた。 が、墺太利海....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
る。 海上の火が、陸の浦兵部丞の戦意を、極度に沮喪させたことはいうまでもない。
潰走はこの刹那から始まった。四分五裂となった浦勢は、やむなく三木城へ通ずる街道の....