»
澆
「澆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
澆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「草枕」より 著者:夏目漱石
ただおのが住む世を、かく観《かん》じ得て、霊台方寸《れいだいほうすん》のカメラに
澆季溷濁《ぎょうきこんだく》の俗界を清くうららかに収め得《う》れば足《た》る。こ....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
まして、課せられた試練を耐え忍んでいるうちに、童貞女はその奇怪な生活に一種の英雄
澆望主義を覚えるようになります。また、一方身体的に云うと、清貧と貞潔の名に隠れた....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
う多年御辛抱なさりますと、三十年、五十年とは申しますまい。今の世は仏の末法、聖の
澆季、盟誓も約束も最早や忘れておりまする。やッと信仰を繋ぎますのも、あの鐘を、鳥....
「雪たたき」より 著者:幸田露伴
腹中でも、やはり小さな癇癪が起らずには居まいがナ。」 と、三斗の悪水は驀向から打
澆けられた。 客は愕然として急に左の膝を一膝引いて主人を一ト眼見たが、直に身を....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
道」を説くことを最も好む哲学と見える。官吏があれば即ち吏道という観念を創始する。
澆季の世に於ては道を聴くことの如何に易いかを思わざるを得ない。今日では晨《あした....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
て、耳を澄ますと、鐸の音は梢を揺って、薄暗い谷に沈む。 十三 女巫
澆酒雲満空。玉炉炭火香鼕鼕。海神山鬼来座中。紙銭※風。相思木帖金舞鸞。 ※杯盤。....
「三つの悲憤」より 著者:豊島与志雄
ん……。」 阮東は口の中で胸いっぱい叫びながら、池のほとりまで来ましたが、池の
澆水のつきるところ、高廊の朱の柱が眼にしみると、もう先へは進みかねて、そこの、飛....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
れども日蓮は悦ばず、正法を立せずして、弘教を頌揚するのは阿附である。暁しがたきは
澆季の世である。このまま邪宗とまじわり、弘教せんより、しばらく山林にのがれるには....
「紅白縮緬組」より 著者:国枝史郎
ないか。白縮緬に張り合って、ああいう手合いが出るところを見ると、世はまだなかなか
澆季ではないのう」 其角は豪放に笑ったが、 「この私に点を入れさせるなら、紅縮....
「俊寛」より 著者:倉田百三
信じられないほど残酷な運命が平氏をどう扱うか、わしはそれが知りたい。 有王 世は
澆季になったと思われまする。平氏はますます栄えはびこり、その荘園は天下に半ばし、....
「歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
情熱である。その激しい律動が、表現の段階を一挙に飛躍せしめたのである。ところで、
澆季芸術の上に、情熱の古代的|迸出を望むことは出来ない。我々の内生活を咄嗟に整理....
「上野」より 著者:永井荷風
屋、曰ク恵比寿長屋等各三四戸アリ。徒《タダ》コレニ過ギズ。然ルニ皇制ノ余沢僻隅ニ
澆浩シ維新以降漸次ソノ繁昌ヲ得タリ。乍《タチマ》チニシテ島原ノ妓楼廃止セラレテ那....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
国へゆるゆると広められる。
そのうち道理が非理になって、仁政が秕政になる。
人は
澆季には生れたくないものだ。
さて人間生れながらの権利となると、
惜いかなどこで....
「雪」より 著者:中谷宇吉郎
下ニ駆《か》ルコト一丈《いちじょう》其春必|※※《みゃくもく》ノ小雨アリテ潤沢|
澆洽《ぎょうこう》シ以テ天下ノ豊年ヲナス 第十二 学者雪ニヨリテ理学ノ諸支ヲ悟り....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
への冒涜が多い。むしろ秩序|紊乱の罪悪がどれだけ芸術の正しい品位を破るか。近代は
澆季なりと時の人が嘆いたあの戦慄すべき保元平治時代よりもまだまだ今日の芸術界の一....