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「澪標〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

澪標の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
。」 と図に乗って饒舌るのを、おかしそうに聞惚れて、夜の潮の、充ち満ちた構内に澪標のごとく千鳥脚を押据えて憚からぬ高話、人もなげな振舞い、小面憎かったものであ....
連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
定座《じょうざ》が設定されていて、これらが一里塚《いちりづか》のごとく、あるいは澪標《みおつくし》のごとく、あるいは関所のごとく、また緑門のごとく樹立している。....
海の使者」より 著者:泉鏡花
らしかった。 「千鳥かしらん」 いや、磯でもなし、岩はなし、それの留まりそうな澪標もない。あったにしても、こう人近く、羽を驚かさぬ理由はない。 汀の蘆に潜む....
言語は生きている」より 著者:中井正一
あらく出てゆくところ、目に見えるようだが、これを源氏の「院より御気色あらむを」(澪標)などと云う用法とは見事に異ったものである。 殊に面白いのは、太平記で「気....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
」思わず眸を四方へ馳せた。紺青の海遠く、淡路の島影は夢のよう。すぐ近くには川口の澪標、青嵐の吹く住吉道を日傘の色も動いて行く。 そこで、パッと鳩を放した――。....
治郎吉格子」より 著者:吉川英治
ぶ。 天保山の磯茶屋から、月見舟がたくさん出る。酒をつんで、妓をのせて、川尻の澪標木のあたりまで浮かび出るのである。 十三夜の晩だった。水の上では、もう息さ....
野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
い故に、これから直接には語義を問うことが出来ぬのである。ツクシは自分の推定では、澪標のツクシであって、突立った柱を意味する。こんな微物に向って、通例は重々しく考....