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激しい
「激しい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
激しいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
子にとっては長い時間が過ぎ去ったと思われるころ、突然頭の中を引っかきまわすような
激しい音を立てて、汽車は六郷川《ろくごうがわ》の鉄橋を渡り始めた。葉子は思わずぎ....
「或る女」より 著者:有島武郎
に震えながら自分の帰るのを待ちわびているだろう。あの叔父叔母《おじおば》がどんな
激しい言葉で自分をこの二人《ふたり》の妹に描いて見せているか。構うものか。なんと....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
て見ながら、耳に手を置き添えて笠井の言葉を聞き漏らすまいとした。それほど寒い風は
激しい音で募っていた。笠井はくどくどとそこに行き着く注意を繰返して、しまいに金が....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
思わしい時に――産気がついてから十二時間目に――夕を催す光の中で、最後と思わしい
激しい陣痛が起った。肉の眼で恐ろしい夢でも見るように、産婦はかっと瞼《まぶた》を....
「卑怯者」より 著者:有島武郎
《よ》りかかって、彼の眼に脚だけを見せていた子供は、ふだんから悪戯《いたずら》が
激しいとか、愛嬌《あいきょう》がないとか、引っ込み思案であるとかで、ほかの子供た....
「星座」より 著者:有島武郎
崇《たた》ったのか、寒い夜気がこたえたのか、帰途につこうとしていた清逸はいきなり
激しい咳に襲われだした。喀血《かっけつ》の習慣を得てから咳は彼には大禁物だった。....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
絶える事のない忙しい漁撈の仕事にたずさわりながら、君は一年じゅうかの北海の荒波や
激しい気候と戦って、さびしい漁夫の生活に没頭しなければならなかった。しかも港内に....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
「あなたは私を恋している」 クララはぎょっとして更めて聖者を見た。フランシスは
激しい心の動揺から咄嗟の間に立ちなおっていた。 「そんなに驚かないでもいい」 ....
「『聖書』の権威」より 著者:有島武郎
、圧倒される荷を負わされる青年と云う時期があります。私の心の中では聖書と性慾とが
激しい争闘をしました。芸術的の衝動は性欲に加担し、道義的の衝動は聖書に加担しまし....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
を形成する。同時にこの中心体は(かつてビュッフォンが想像したように)衝突によって
激しい回転を生じているのである。一番内部の中心体は強く灼熱され、衝突前に比べると....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
んで了ったのか……。』 死の自覚が頭脳の内部ではっきりすると同時に、私は次第に
激しい昂奮の暴風雨の中にまき込まれて行きました。私が先ず何よりつらく感じたのは、....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
に向って行われる。無論両者の争闘は、時代によりて消長を免れないが、現在はその最も
激しい時代である。神の使徒は、今やその威力を集結して戦に臨んでいるので、人間社会....
「東京に生れて」より 著者:芥川竜之介
変化の
激しい都会 僕に東京の印象を話せといふのは無理である。何故といへば、或る印象を....
「寡婦」より 著者:秋田滋
も申せるのです。この一家の者は、父から子へ、子からまたその子へと、皆な親ゆずりの
激しい情熱をもっていて、全身がその熱でもえ、それがこの人たちを駆って、とんでもな....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
る。そして、殺人者を犯罪人として罰している。しかし、われわれ人間は、この自然な、
激しい殺戮を好む、本能の命ずるところに従わないでいられないために、ときどき、戦争....