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「激浪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

激浪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
Kの昇天」より 著者:梶井基次郎
に肉体は無感覚で終わりました。干潮は十一時五十六分と記載されています。その時刻の激浪に形骸の翻弄《ほんろう》を委《ゆだ》ねたまま、K君の魂は月へ月へ、飛翔《ひしょう》し去ったのであります。....
動かぬ鯨群」より 著者:大阪圭吉
う北海丸の船影はなく、炭塵や油の夥しく漂った海面には、最初にかけつけた釧路丸が、激浪に揉まれながら為す術もなく彷徨っているばかりだった。 S・O・Sによれば、....
」より 著者:梶井基次郎
で結局かえって邪魔をしに行ったようなことになってしまった。働いたのは島の海女で、激浪のなかを潜っては屍体を引き揚げ、大きな焚火を焚いてそばで冷え凍えた水兵の身体....
人造人間事件」より 著者:海野十三
クシャになって底がぬけてしまった! 帆村はなおも落ついて先を読んだ。「烈風」「激浪」「横転」という三つの言葉が出ると、人造人間は別々の新しい行動を起し、遂に「....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
艦尾から滝のように襲いかかってきた。 艦橋も檣も起重機も、そして艦載機も、その激浪にのまれてしまったかと思われた。二千トンの潜水艦が、木の葉のようにゆれる。 ....
」より 著者:菊池寛
ああ猩々緋よ唐冠よ」と敵の雑兵は、新兵衛の鎗先を避けた。味方がくずれ立ったとき、激浪の中に立つ巌のように敵勢をささえている猩々緋の姿は、どれほど味方にとってたの....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
夢を悩ませたかは、言うまでもないくらいである。嵐の夜々、風が家全体を揺り動かし、激浪が入江や断崖に轟きわたる時には、その男がいろいろの姿で、またいろいろの悪魔の....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
に言ったが、耳の鋭い長平は、状況判断を加算して、ききとることができた。 世間の激浪に損われた跡がミジンも見えない貴公子のようなこの青年に、彼の過去がすべてそう....
南極の怪事」より 著者:押川春浪
風も何時か吹きやみて、船が氷山の一角に乗りあげし時、その余響を受けて荒れまわりし激浪怒濤も、次第々々に静かになり、四辺は急にシーンとせり、人の恐るる地球の果、人....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
から、ロシヤはウラジオ港外に機雷網をしいて用心しはじめたのであろう。それが冬期の激浪にもまれ解氷時に至ってロビンソン・クルーソーの行動を起すもののようである。 ....
太陽系統の滅亡」より 著者:木村小舟
大|海嘯は、たちまちにしてその半数以上の人命を奪い、次で宏大なる同盟会議所も、又激浪の呑む所となって仕舞ったのである。 と見れば月は朦朧たる影を以て、宛然魔神....
少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
。 明けがたから風が変わって、黒雲が大海をあっした。天候は大あらしに急変した、激浪と突風にもまれて、帆柱は吹き折れ、かじは流され、船はまったく自由を失った。み....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
じ場所です――釣をしていて、不意に波に浚われました。泳は出来たが、川水の落口で、激浪に揉まれて、まさに溺れようとした時、大な魚に抱かれたと思って、浅瀬へ刎出され....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
し怒濤船をゆらし、横浜出航以来、食卓にワクをはめたるは今日をはじめとす。その狂風激浪の中に、悠然として雄飛するものは信天翁のみ。終日風雨やまず、夜に入りてさらに....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
五、六丁の処にその機関の運転を停めた。予定の上陸地であったのである。だが、夜来の激浪がまだおさまらず、空しく迎えのランチも艀も、煙と汽笛と駄目だ駄目だというかし....