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「激痛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

激痛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
ただ鈍痛とのみ思っていた痛みは、どっちに臥《ね》返ってみても我慢のできないほどな激痛になっていて、気が狂うように頭は重くうずいた。我慢にも貞世を見舞うなどという....
競馬」より 著者:織田作之助
》の仕事を世話してもらった。ところが、一代は退院後二月ばかりたつとこんどは下腹の激痛《げきつう》を訴《うった》え出した。寺田は夜通し撫《な》ぜてやったが、痛みは....
電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
が明いて、心臓へグザッと突入したような思いだった。指先は怪魚に喰いつかれたような激痛を覚えた。 「た、救けて! で、電気、電気だ。感電だ!」 ザアッと湯の波に....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
心持がいたしやす。ぶしつけでござんすが、景気づけに一杯呑ましておくんなさいまし」激痛をこらえて、歪んだように笑うと、なみなみ注いだ大盃をギュウと一気に呑みほしな....
海底都市」より 著者:海野十三
こめて、硝子天井を蹴った。 ああ、それも無駄に終った。足の骨が折れそうになり、激痛《げきつう》が全身を稲妻《いなづま》のように突《つ》き刺《さ》しただけであっ....
恐竜島」より 著者:海野十三
切ったまま砂浜にあがると、その切目《きれめ》の中に小さい砂がはいりこんで、やがて激痛《げきつう》をおこすことになる。さらにその後になると、傷口からばい菌がはいっ....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
三章 幽明間の交渉 問『前回の通信を草した時、自分は非常に疲労を覚え、脳の底部に激痛を感じた。その原因は何であったか?』 現代立法の不備――汝が頭痛を覚えたの....
ジロリの女」より 著者:坂口安吾
は宙に吊り、うわずって、言葉をのんだが、私の怒りは、血が逆流し、コメカミの青筋が激痛をともなってフクレあがり、目がくらんだ。 「何が当家ですか。当家の娘が、笑わ....
青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
腕をのばして彼を待ち彼の首ににじりよる。 私は病気の時ですら、そうだった。私は激痛のさなかに彼を迎え、私は笑顔と愛撫、あらゆる媚態を失うことはなかった。長い愛....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
き、放二はオリムピック・マラソン選手の戦記をよんだ。彼らは時々ある地点に於ては、激痛のあまり知覚を失ってしまうのだ。手も足も動かなくなる。放置すれば、倒れる一瞬....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
、目が覚めたあとでは吐き苦しんで、新聞小説が書けなくなる。仕方がないから、売薬で激痛を殺しながら、仕事をつづけた。これが、よくなかった。 朝方、新聞小説一回分....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
夜が大そう不安で怖しい。夜になると神経がたかぶって眠れないばかりでなく、しばしば激痛が襲いかかって死の恐怖と闘わなければならなかったからだ。 夜の十時から朝の....
水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
て断崖の上に出で、まさに二十丈の縄にすがって降りようとした刹那、突如ルパンは肩に激痛を覚え、頭がグラグラとした思うとそのまま岩の上に打倒れた。 『アッ、畜生ッ!....
電報」より 著者:織田作之助
んは口惜しがったが追っつかず、小隊長と二人でひっそり暮した。ある日小隊長は腹部に激痛を訴えたので、驚いた婆さんは灸を据えたが、医者は診て、こりゃ盲腸だ、冷やさな....
妖怪談」より 著者:井上円了
狐どもは腹へ入ってからというものは、たえ間なく腹中をかけ回るので、ついには腹部の激痛を感ずるようになりましたので、苦しむようになりました。ところが、狐は入りかわ....