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「激越〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

激越の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
想世界のなかで、しばらく折竹は一言もいえなかった。 そこへ、きゅうにダネックが激越な調子になって、 「いよいよ僕も、『|天母生上の雲湖《ハーモ・サムバ・チョウ....
三つのなぜ」より 著者:芥川竜之介
がら、大きい竪琴を掻き鳴らした。のみならず絶えず涙を流した。彼の歌は彼に似げない激越の調べを漲らせていた。妃たちや家来たちはいずれも顔を見合せたりした。が、誰も....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
嬉しさの胸に溢れると等しく、過去の悲惨と烈しき対照を起こし、悲喜の感情相混交して激越をきわむれば、だれでも泣くよりほかはなかろう。 相思の情を遂げたとか恋の満....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
発表した。この点ジャーナリストから重宝がられた。任官上の不満は、彼の表現を往々に激越な口調のものにした。 国々を転々して、万年公使の綽名がついた頃、名誉大使に....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
。そして、提琴奏者特有の細く光った指を、十本|卓子の端に並べて、最後に彼はひどく激越な調子で云った。 「もうこれで、お訊ねになる事はないと思いますが、僕の方でも....
鳥羽伏見の戦」より 著者:菊池寛
松平春嶽が大に慶喜のために説いたが、岩倉、大久保のために、容れられず、両派の論争激越を極め、一時休憩となったが、その時薩藩の岩下佐次衛門は、退席していた西郷隆盛....
「吶喊」原序」より 著者:井上紅梅
った。ではあるが、わたしの麻酔法はこの時すでに功を奏して、もはや再び若き日の慷慨激越がなくなった。 S会館の内に三間の部屋がある。言い伝えに拠ると、そのむかし....
巴里の唄うたい」より 著者:岡本かの子
ン・ドニのキャフェへ帰って行った。審議は仕直された。第二の決議が出来た。すこぶる激越の調子を帯びた決議文が成文された。 「われ等はラジオの拡声器を職業の敵と認め....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
、検事の手を取って引き上げてから、海気を胸いっぱいに吸い込んだ。そして、すこぶる激越な調子で云った。 「いやこの事件の解決は、つまるところ、一つの定数を見出すに....
オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
幡江、孔雀までが彼を見捨てたのであるから、ついに九十郎は、一夜離反者を前にして、激越極まる告別の辞を吐いた。そして、その足で、何処ともなく姿を晦ましてしまった―....
岩波文庫論」より 著者:岩波茂雄
に和して之を推挙するに躊躇するものである。」 という一節を読み直してみても、その激越なる口調に当時の流行に対しいかに私が反撥心を持ったかがわかる。良書を廉価にと....
四十年前」より 著者:内田魯庵
挂冠したが、潮の如くに押寄せると民論は益々政府に肉迫し、易水剣を按ずる壮士は慷慨激越して物情|洶々、帝都は今にも革命の巷とならんとする如き混乱に陥った。 機一....
法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
夜漬けとも謂うべき極めて粗雑なる駁論の梗概である。今にしてこれを観るに、論鋒甚だ激越にして、慚汗為に肌を湿すの感があり、論旨またすこぶる不備にして、さらに補訂を....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
斬り込みを試みることができた。彼は、ラレイがかつて彼を暗殺しかけたことがあると、激越な口調で宣言した。そこでラレイは、この不条理な誹謗を否定するために証人台に立....
私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
て気勢をあげ、会場までデモる計画だったらしい。私たちはつぎつぎと演説したが、私が激越な口調でブッたところ、立会の警官から『弁士中止』の声がかかった。それにも構わ....