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「濃い化粧〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

濃い化粧の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:太宰治
喫《まんきつ》した。 れいのあの、きれいな声をした年増の女中は、日が暮れたら、濃い化粧をして口紅などもあざやかに、そうしてお酒やらお料理やらを私どもの部屋に持....
」より 著者:徳田秋声
家を出たのは、午後五時ごろであった。島田に結って、白襟に三枚襲を着飾ったお今の、濃い化粧をした、ぽっちゃりした顔が、黄昏時の薄闇のなかに、幌の隙間から、微白く見....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
、やっとのことでおさえつけているためなのだろうが、しかしよそめには、舞台で眺める濃い化粧の面かげとはちがった、いうにいえぬ媚《こ》びさえ感じられるのだった。 ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、紋縮緬《もんちりめん》かなにかの二つ折りの帯を巻いて前掛のような赤帯を締めて、濃い化粧のままで紅《べに》をさした唇、鉄漿《かね》をつけた歯並《はなみ》の間から....
売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
きものも、襦袢も、素足も、櫛巻も、紋着も、何となくちぐはぐな処へ、色白そうなのが濃い化粧、口の大きく見えるまで濡々と紅をさして、細い頸の、真白な咽喉を長く、明神....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
の空を渡ったのである。 次第は前後した。 これより前、姿見に向った裸の児が、濃い化粧で、襟白粉を襟長く、くッきりと粧うと、カタンと言わして、刷毛と一所に、白....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
にはならず、なんだか豪侠な気が胸に迫るようにも思われます。 それに、こってりと濃い化粧をした女の顔も、吉原あたりで見る鉄火《てっか》のようなところもあって、年....
南国太平記」より 著者:直木三十五
が、音もなく、流れていた。綱手は、宿の女に、云いつけて買わした、京白粉、京紅で、濃い化粧をして 「母から、聞いておりますには――」 ちらっと、百城の顔を見た。....
幼年時代」より 著者:室生犀星
姉は晴衣を着て母とともに二台の車にのった。 私は玄関でじっと姉の顔を見た。姉は濃い化粧のために見違えるほど美しかった。そわそわと心も宙にあるように昂奮していた....