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「濃鼠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

濃鼠の前後の文節・文章を表示しています。該当する4件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黄昏」より 著者:宮本百合子
うに、はかばかしく口も利かなかった。若々しいのぶ子の傍にすりつくように腰をかけ、濃鼠色の襟巻から、上気《のぼ》せた顔をのぞかせ、彼女は、どこを通っているのか考え....
」より 著者:寺田寅彦
夕映えの色も常に異なった暗黄色を帯びて物凄いと思う間に、それも消えて、暮れかかる濃鼠の空を、ちぎれちぎれの綿雲は悪夢のように果てもなく沖から襲うて来る。沖の奥は....
お化の面」より 著者:田中貢太郎
に蓬蓬の髪の毛、口は五臓六腑が破れ出た血に擬わして赤い絵具を塗り、その上処どころ濃鼠の布で膏薬張をしてあった。 それは初代林家正蔵が秘蔵していた物であった。そ....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
は走る、走る、走る。 雨はまだ激しかった。 緑である。白茶である。黒である。濃鼠である。そうした自分たちの、または農場から借物のレインコート、雨合羽、軍人マ....