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「濛気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

濛気の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
わふわ動かしていったのだ。つまり、その1から4までのものと云うのは、最後に上った濛気をある一点に送り込む――詳しく云えば、それに一つの方向を決定するために必要だ....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
である。 と、見る見る視野がひらけた。 思いがけぬ崩壊が風をおこして、地上の濛気が裂けたのである。とたんに、三人がはっと息を窒めた。それまで、濛気に遮られて....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
だ。朦朧として見究められぬ水を見ようと覗いて見ても、湖水の蒼い水の代りに、乳色の濛気を見るばかりだ。 その水蒸気の壁の厚さは幾らあるとも知れなかった。白一色の....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
上げたではないか。続いて開いたは大きな口だ。と、そこからスラスラと、一筋の白布が濛気のように、空に向かって巻き上がったが、飛び去る蝶を追っかけた。 何んという....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
、一秒ちがわず点火する。エンジンは働きだした。 艇ははげしく震動し、尾部からは濛気が吹きだす。この三十秒が、命の瀬戸際だ。どうぞミミ族よ、気がつかないように…....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
部を擡げて、覚束ない眼つきをして、あちこち見※したのでございます。最初は、何やら濛気でもかかっているようで、物のけじめも判りかねましたが、その中不図何所からとも....
都会の幽気」より 著者:豊島与志雄
に接触し人間の気を帯びている。そして、劇場や寄席や活動写真館などの中に、むれ臭い濛気がこめると同じように、都会の中にも、人間の息吹きが凝って一つの濛気となり、至....
公孫樹」より 著者:豊島与志雄
を見比べていて、動き出そうともしなかった。 砂利から立つ湯気と、アスファルトの濛気と、釜の下から出て来る火気とに、私は少し辟易して、四五歩しざりながら、あたり....
非情の愛」より 著者:豊島与志雄
、地ならしして、平地にしてしまっても、そこにはまた、靄が立ちこめるように、一種の濛気が立ちこめてくるかも知れない。偶像を破壊した後にも、まだ、霊界とでもいわれる....
無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
航海をつづけて、一月十七日には、目的の、新鳥島付近にきていた。 この日の朝は、濛気が四方に立ちこめて、水平線ははっきり見えなかったが、海鳥は船のまわりを飛びか....
現代とは?」より 著者:坂口安吾
トと同じ性質のものだ。 現代の若者たちは狂躁なジャズのリズムにのってカストリの濛気をフットウさせカンシャク玉がアバレルようなアンバイ式に一向に芸術的ならぬ現実....
歳時記新註」より 著者:寺田寅彦
ら夏へかけては霧が深くて航海が危険である。三十七、八年の戦役に我が艦隊を悩ました濛気もこの従兄弟のようなものであろう。また船乗の恐れる海坊主というのは霧の濃いか....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
と見る間もなく、ザーッと雨が落として来た。篠突くような暴雨であった。雨脚が乱れて濛気となり、その濛気が船を包み、一寸先も見えなくなった。轟々という凄じい音は、巻....
剣侠」より 著者:国枝史郎
い大きい唇の間から、モクリモクリと煙を吐いた。 どうしても蝦蟇が空に向かって、濛気を吐くとしか思われない。 「何かと云いますに私という人間、一旦やろうと思い立....
「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
面の蒸発に※留がおこる。その探険隊が、『|海の潮吹き穴』とそこを名づけたように、濛気赤道太陽をさえぎる大湿熱海だ。 ところで、そのニューギニア会社の探険のとき....