»
濠
「濠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
濠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「松江印象記」より 著者:芥川竜之介
を、松江の人々のために心から祝したいと思う。そうして蘆《あし》と藺《い》との茂る
濠《ほり》を見おろして、かすかな夕日の光にぬらされながら、かいつぶり鳴く水に寂し....
「妙な話」より 著者:芥川竜之介
のだかぐっしょり雨に濡れたまま、まっ蒼な顔をして帰って来た。聞けば中央停車場から
濠端《ほりばた》の電車の停留場まで、傘《かさ》もささずに歩いたのだそうだ。では何....
「路上」より 著者:芥川竜之介
いろいろな臆測《おくそく》の間《あいだ》に迷いながら、新開地のような広い道路を、
濠側《ほりばた》まで行って電車に乗った。
ところが翌日大学へ行くと、彼は純文科....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
《ひじ》をとらえたなり、放心したように往来へ立ちすくんでしまいました。その時、外
濠線《そとぼりせん》の電車が、駿河台の方から、坂を下りて来て、けたたましい音を立....
「或る女」より 著者:有島武郎
、愛子の車は日本橋の通りをまっすぐに一足《ひとあし》先に病院に行かして、葉子は外
濠《そとぼり》に沿うた道を日本銀行からしばらく行く釘店《くぎだな》の横丁《よこち....
「初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
醒《さ》めて以来、幾十万の勇敢なる風雲児が、いかに男らしき遠征をアメリカアフリカ
濠州および我がアジアの大部分に向って試みたかを。また見よ、北の方なる蝦夷《えぞ》....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
える。 萌黄の光が、ぱらぱらと暗に散ると、炬のごとく輝く星が、人を乗せて衝と外
濠を流れて来た。 電車 三十二 河野から酒井へ申込んだ....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
敗れた。イギリスはその貧弱な陸上兵力にかかわらず、ドーバー海峡という恐るべき大水
濠の掩護によって、ナポレオンの決戦戦争を阻止したのである。今日のナチス・ドイツに....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
だ。」と云う声と、猪口の糸底ほどの唇を、反らせて見せるらしいけはいがした。 外
濠線へ乗って、さっき買った本をいい加減にあけて見ていたら、その中に春信論が出て来....
「女客」より 著者:泉鏡花
っちまおうかと、日に幾度考えたかね。 民さんも知っていましょう、あの年は、城の
濠で、大層|投身者がありました。」 同一年の、あいやけは、姉さんのような頷き方....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
お供だ? どこへ。」 「お馴染様でございまさあね。」 「馬鹿にするない、見附で外
濠へ乗替えようというのを、ぐっすり寐込んでいて、真直ぐに運ばれてよ、閻魔だ、と怒....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
と、大理石の建物にはあるまじき、ひょろひょろとした楽書の形になって彳む処に、お
濠の方から、円タクが、するすると流して来て、運転手台から、仰向けに指を三本出した....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
と、ずっと深さが増して、ふうわり草の生えた土手へ溢るんだがね、その土手が、城趾の
濠の石垣らしくも見えれば、田の畔のようでもあるし、沼か、池の一角のようでもある。....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
ることがある。燃えしぶっていた焚火が俄に明るく燃え上り、火焔がすさまじい音と共に
濠々と立つ白煙を舐め尽して終う。人の輪が少し後ろへ下って、各々の顔に束の間の歓び....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
は軍事経済両方面よりの研究に依り決定するを要す。人口問題等の解決はこれを南洋特に
濠州に求むるを要するも、現今の急務は先ず東亜連盟の核心たる日満支三国協同の実を挙....