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濠洲
「濠洲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
濠洲の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「雌に就いて」より 著者:太宰治
うと云う。又タスマニヤ人は其妻死する時は、其子までも共に埋めて平然たる姿なりと。
濠洲の或る土人の如きは、其妻の死するや、之《これ》を山野に運び、其脂をとりて釣魚....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
主たる丸部家から買い取ったのは、其の家に奉公して居た輪田お紺と云う老女だ、何でも
濠洲へ出稼ぎして居る自分の弟が死んで遺身《かたみ》として大金を送って来たと云う事....
「人造人間戦車の機密」より 著者:海野十三
寺のさわやかなる秋の夕暮を想い出すそうである。――なにしろ、ここは、人跡まれなる
濠洲の砂漠の真只中である。詰襟の服なんか、とても苦しくて、着ていられなかった。 ....
「戦時旅行鞄」より 著者:海野十三
いでいくとは……」 金博士の姿は、こんどは埠頭に現れた。幸いに八千|噸ばかりの
濠洲汽船が今出帆しようとしていたところなので、博士はこれ幸いと、船員をつき突ばし....
「流線間諜」より 著者:海野十三
右には米大陸の西岸が見え、上には北氷洋が、西には印度の全体が、そして下には遥かに
濠洲が見えている。その地図の上には、ところどころに太い青線で妙な標がついていた。....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
が言った。 『石炭夫だ。高給。別待。本船か! これから亜弗利加の西海岸を南下して
濠洲廻りだ。WHAT・SAY? HEY?』 『ME?』 『YEA。』 そして事....
「海水浴」より 著者:寺田寅彦
を眺めながら、あの雲の下をどこまでも南へ南へ乗出して行くといつかはニューギニアか
濠洲へ着くのかしらと思ってお伽噺的な空想に耽ったりしたものである。宿の主婦の育て....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
明治十六年一月のことである。東京の木工船会社で新造した百八十トンの機帆船昇龍丸が試運転をかねて
濠洲に初航海した。日本の国名も聞きなれぬ当時のことで、非常に珍しがられて、港々に....
「空家の冒険」より 著者:ドイルアーサー・コナン
実を基として、ここに概括してみようと思うのである。 ロナルド・アデイアは、当時
濠洲殖民地の、一知事であった、メイノース伯爵の次男であった。そしてアデイアの母は....
「馬」より 著者:佐左木俊郎
が? どんなのでもいいがら。」 伝平はそう口癖のように言うのだった。 「馬か?
濠洲産の駒馬でもなあ。早ぐ汝が稼ぐようになって飼うさ。」父親はいつもそう言うだけ....
「「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
なったものだ。 独艦が出没する南太平洋を縫い、ともかく小帆船ながら新領諸島と、
濠洲間の聯絡を絶やさなかったのは偉い。その、水凪丸の二回目の航海、ブリック型、補....
「ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
方面をロウ君が捉えたのでしょう」 そう言って笑った。 ――此のロウ君はですね、
濠洲生れの男でしてね。線と簡単化ということでは沢山東洋的のものを持ってるように思....
「バットクラス」より 著者:岡本かの子
訪ねて来る連中がかなりある。だが客は多く亜米利加の家具月賦取附会社の社長の一族や
濠洲の女金貸等で、フランスの伯爵夫妻やスペインの侯爵一家などはあまり来ない。 「....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
街上の散水に、土人が皮ぶくろに水をいれて運ぶと好一対なり。 繋船木曜島南湾、路入
濠洲最北関、赤日炎風涼何在、只余熱帯樹陰山。 (船を木曜島の南の湾につなぎとめ、....
「エタに対する圧迫の沿革」より 著者:喜田貞吉
も現代の我が国民が、海外に雄飛の地を尋ねて、或いは労働に生活の道を求めて、加州や
濠洲で問題を起している様な事が、当時も頻々として生じたに違いない。ここに於いてか....