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濡れ仏
「濡れ仏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
濡れ仏の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「少年」より 著者:芥川竜之介
しただ鳩《はと》だけは同じことである。いや、鳩も違っているかも知れない。その日も
濡れ仏の石壇のまわりはほとんど鳩で一ぱいだった。が、どの鳩も今日《こんにち》のよ....
「煩悩秘文書」より 著者:林不忘
。途中でずっと降られどおしで、へへへへへ、御らんのとおり、ずぶ濡れの、ぬれ鼠の、
濡れ仏ってんで。」 大次郎は、はっとしたように、利七を見直した。 たしかに利....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
働いたということが解りましたから、孝助は主人の為め娘の為め、萩原新三郎の為めに、
濡れ仏を建立いたしたという。これ新幡随院
濡れ仏の縁起で、此の物語も少しは勧善懲悪....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
で、濡《ぬ》れ仏《ぼとけ》だ」 和泉屋が言うと、日進堂も腹をかかえながら、 「
濡れ仏、とは、うまいことを言ったもんだ……額からしずくをたらしながら、そうして目....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
いて、深むらさきに濡れていた。 どこかで鳩の声がきこえた。 筋向うの、大きな
濡れ仏の見えるお寺の角を急いで曲って、天王橋のところまででてきて、はじめて圓朝は....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
吸の一つも、もう徒らに費やすことはできないものになっている。 落葉松の根元へ、
濡れ仏のように、べたっと坐り込んでいた老母の顔は、途端にさっと蒼ざめた。 ――....