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濡れ衣
「濡れ衣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
濡れ衣の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊妻」より 著者:大阪圭吉
奥様。 いきさつは御実家の旦那様からお伺いいたしました。私めのためにとんでもない
濡れ衣をお着になったお恨みは、必ずお晴らし申します。特別御贔屓にして頂きました私....
「源氏物語」より 著者:紫式部
とを私が申したものですから」 などと言って、微笑するふうで、 「おほかたはわが
濡れ衣をきせずとも朽ちにし袖の名やは隠るる もうしかたがないと思召してくだすっ....
「庶民生活」より 著者:豊島与志雄
ことを例にとって、わたしをさんざんに責め立てるんですよ。」 「そりゃあ、僕の方は
濡れ衣ですな。」 「内山さんと山田さんお二人をご覧なさい。正式に結婚もなすってい....
「保久呂天皇」より 著者:坂口安吾
てられて罵られてもむしろ肩をそびやかして威張りかえった久作である。身に覚えのない
濡れ衣をきせられて、その口惜しさで断食して死ぬような久作ではなかった。 彼は濡....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
たのだが、野中の道了での斬り合い、俺は今に怨みに思っておるぞ! 事実を誣い、俺に
濡れ衣を着せたあげく、俺の股へ斬り付け、躄者になる原因を作ったな。おのれ勘兵衛、....
「魔都」より 著者:久生十蘭
嫁しようと企てたのだということが判る。……方法に至っては至極簡単です。一旦王様に
濡れ衣を着せて置いて、そのあとでそれを払い戻す、いわゆる交互計算というやつです。....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
たすものですか。……たぶん、こりゃア、あッしの左ききを知っているやつが、あッしに
濡れ衣を着せて、突き落そうと企らんだことなのに相違ないんでございます……」 「よ....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
たがなかったんだもの。へんなことがあってねえ。他の女中が悪いことをして、あたいに
濡れ衣《ぎぬ》をきせたんだよ。あのまたおかみさんという人も、あんまり眼がなさ過ぎ....
「棚田裁判長の怪死」より 著者:橘外男
坊さんにね、此奴が腰元をそそのかして、主人の家の金を持って逃げようと企んだなぞと
濡れ衣を着せて、殺してしまったんだよ。おまけに、酷いことをしたんだよ。ほら、お祖....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
何ンと?」 高氏もまた、きびしく、あらたまって。 「それこそは、まったく、身の
濡れ衣と申すもの」 「覚えなし、とか」 「かつての旅中、俊基朝臣にぜひ会い給えと....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
漢師直の名を、百代に高からしめる所以となったものである。 すべて、師直にとって
濡れ衣であることは、どこからでも指摘できる。 けれど半分は事実でもあろう。――....
「無宿人国記」より 著者:吉川英治
中へ内職の仲継ぎをしている老人が、見舞に来て、憤然と、 「丈八郎殿、貴公、とんだ
濡れ衣をきておるぞ」 と、尖った拳を、膝において、いうのだった。 「何事ですか....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
こかに落ちているにちがいありません。……可哀そうに、わたしのために、ほんに不愍な
濡れ衣を着せてしもうた……」 亥十郎は、むっとした容子を抑えて、武辺者らしい一....