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濫
「濫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
濫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「Mensura Zoili」より 著者:芥川竜之介
ないそうですよ。」
「へええ。」
「またこうも書いてあります。――この作者早くも
濫作《らんさく》をなすか。……」
「おやおや。」
僕は、不快なのを通り越して、....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
ではございますまいか。」
伝右衛門は、こう云う前置きをして、それから、内蔵助が
濫行《らんこう》を尽した一年前の逸聞《いつぶん》を、長々としゃべり出した。高尾《....
「樗牛の事」より 著者:芥川竜之介
中でもいちばん大部だったのは、樗牛全集の五冊だった。
自分はそのころから非常な
濫読家だったから、一週間の休暇の間に、それらの本を手に任せて読み飛ばした。もちろ....
「広津氏に答う」より 著者:有島武郎
らして私は何といっても、自分がブルジョアジーの生活に浸潤しきった人間である以上、
濫《みだ》りに他の階級の人に訴えるような芸術を心がけることの危険を感じ、自分の立....
「星座」より 著者:有島武郎
あると思った。儒学《じゅがく》最盛期《さいせいき》の荻生徂徠《おぎゅうそらい》が
濫《みだ》りに外来の思想を生嚼《なまかじ》りして、それを自己という人間にまで還元....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
山路なる、孤家のそれと疑わるる。 名門の女子深窓に養われて、傍に夫無くしては、
濫りに他と言葉さえ交えまじきが、今日朝からの心の裡、蓋し察するに余あり。 我は....
「親子」より 著者:有島武郎
でもしたようにびしびしとやり込めた。 彼にはそれがよく知れていた。けれども彼は
濫りなさし出口はしなかった。いささかでも監督に対する父の理解を補おうとする言葉が....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
を罰せなければならなかった。彼は先ず自分の家の中に暴虐性を植えつけた。専制政治の
濫觴をここに造り上げた。そして更に悪いことには、その生んだ子に於て、彼等以上の肉....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ル族(Kaffer)の黒人やアラビア人はこの種の伝説を知らないのである。この大氾
濫の原因について各種民族の伝うるところは甚だまちまちである。氷雪の融解によるとす....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
に行なわれない。また長年養って商売化した兵隊は非常に高価なものであります。それを
濫費することは、君主としては惜しいので、なるべく斬り合いはやりたくない。そういう....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
すぐここには見えない、木の鳥居は、海から吹抜けの風を厭ってか、窪地でたちまち氾
濫れるらしい水場のせいか、一条やや広い畝を隔てた、町の裏通りを――横に通った、正....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
船に乗せてあった、などとも申します。 何しろ、美い像だけは事実で。――俗間で、
濫に扱うべきでないと、もっともな分別です。すぐに近間の山寺へ――浜方一同から預け....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
て、 「串戯じゃないわ、人の気も知らないで。」 「無論、串戯ではないがね、女言|
濫りに信ずべからず、半分は嘘だろう。」 「いいえ!」 「まあさ、お前の前だがね、....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
と及腰に覗いていた。 お蝋燭を、というと、爺が庫裡へ調達に急いだ――ここで
濫に火あつかいをさせない注意はもっともな事である―― 「たしかに宝物。」 憚り....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
が他の民族を殺す戦争によって、自らを慰めるのだ。ところで、戦争というものは、血の
濫費にほかならぬ。この
濫費のために軍隊は熱狂し、市民たちは、女子供たちまでが、殺....