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「濫発〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

濫発の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
近世快人伝」より 著者:夢野久作
だ。彼はそんな調子で現代日本の政界財界に、あらゆる機会を利用して法螺の空小切手を濫発している。その空小切手を掴んだ連中は、その空小切手を潰されちゃ堪らないもんだ....
俳句の型式とその進化」より 著者:寺田寅彦
伝わって来たのが、近代になって急に何かの原因で盛んに「突然変異」を生じて新型式を濫発せしめたというふうに考えられる。 生物の突然変異を生ずる原因が何であるかに....
「大人の文学」論の現実性」より 著者:宮本百合子
本が売れないといわれて来てから、出版屋は一昨年あたり、いわゆる豪華版というものの濫発をやった。高くて綺麗な本でなけりゃこの頃は売れません。つまり、本の内容からは....
修身」より 著者:宮本百合子
人権擁護の完全を期するために」で第一、警察官の民主化の実行、第二、地方刑罰条例の濫発への警告――売春等取締条例・公安条例など「国会で決定せず、地方自治体できめし....
待呆け議会風景」より 著者:宮本百合子
うだけれども、本当の心持で日本の対外関係を案じている傍聴人の耳に、そういう彌次の濫発が果して頼もしい代議士連の緊張した態度としての印象を与えただろうか。今日の社....
厄年と etc.」より 著者:寺田寅彦
ある場合もあるが、またそうでない場合がある。ある期間だけ継続する週期的現象の群が濫発的に錯綜して起る時がそうである。 これはただ一つの類例に過ぎないが、厄年の....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
かんとしているところは、どうしても誰かに知恵をつけられて、一夜づくりの言葉手形を濫発したものに違いないのです。 その男が、あっけらかんとしている途端に、四辺《....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
財政の困難であった藩や、就中維新前後に多くの藩費を要した藩は、準備金のない紙幣を濫発して、その結果廃藩の頃は非常に低下して、半分以下十分一にもなっていた処があっ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
オナパルト派(訳者注 ブオナパルトはボナパルトの皮肉な呼称)だの青色大綬を市民へ濫発《らんぱつ》することだのルイ十八世のジャコバン主義だのについて、風向きが悲歌....
探偵小説とは」より 著者:坂口安吾
する、次々と多作を強いられて、職業作家となると、マンネリズムにおちいって、駄作を濫発するようになる。 多作して駄作を作らぬ方法として、私は探偵作家に合作をすす....
経済学及び課税の諸原理」より 著者:吉田秀夫
述べなければならない。もし金貨の造幣料が例えば五%であるならば、通貨は、銀行券の濫発によってそれを地金に熔解するために鋳貨を要求するのが銀行券の所持人の利益とな....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
いるのである。 紙幣を造ってはそれを使い果して………… 財政窮乏のために紙幣を濫発して、国勢が衰えつつあったことをいう。 歴史上にも怖しい……枠細工 フラン....
三国志」より 著者:吉川英治
、その後には李※などという人物が立って、依然政事を私し、私慾を肥やし、悪政ばかり濫発して、すこしも自粛するところがなかったため、民衆は怨嗟を放って、「一人の董卓....
大岡越前」より 著者:吉川英治
にしたのはいうまでもない。悪貨の増発は、物価をハネあげる。物価の狂騰はまた貨幣の濫発をやむなくする。それにたいし、幕府は追っかけ追っかけ節約令や禁止令をもって、....