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濫觴
「濫觴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
濫觴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
上仕り候。少長どのに仕負けられては、独り御身様の不覚のみにてはこれなく、歌舞伎の
濫觴《らんしょう》たる京歌舞伎の名折れにもなること、ゆめゆめご油断なきよう御工夫....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
を罰せなければならなかった。彼は先ず自分の家の中に暴虐性を植えつけた。専制政治の
濫觴をここに造り上げた。そして更に悪いことには、その生んだ子に於て、彼等以上の肉....
「道徳の観念」より 著者:戸坂潤
理思想や自称倫理学の書物は、決してそのまま今日の所謂「倫理学」でもなければ又その
濫觴でもない。 だがそれにも拘らず、倫理の問題・道徳の問題は、古代から今日の倫....
「ルクレチウスと科学」より 著者:寺田寅彦
識なる説よりも、もう少し要を得ている。 冶金、紡織、園芸の起源や、音楽、舞踊の
濫觴までもおもしろく述べてある。神の観念が夢から示唆され、それが不可解不可能なる....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
しきを知る、チッとばかり昔のことを言わして頂くことにした。 ――さて江戸芸者の
濫觴は、宝暦年中、吉原の遊女扇屋歌扇というが、年あけ後に廓内で客の酒席に侍り、琴....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
が迸り出て、そのまま斃れてしまったろう。 今日|流行っている静座法なども、その
濫觴は「阿珂術」なので、伊藤一刀斎景久は、そういう意味からも偉大だと云える。 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
りました。 そうすると、暫くあって、その毒竜の尾について、間隔は二三間を隔てて
濫觴《らんしょう》のような形のものが二つ、あとになり、先になり、前なるは振向いて....
「三甚内」より 著者:国枝史郎
はめでたく天寿を全うし畳の上で往生をとげ、一は吉原の起源を造り一は今日の富沢町の
濫觴を作したということである。....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
塚を造り、神を祭ると称し、塚の下に穴倉を設け、財宝を隠匿した。 これが道了塚の
濫觴なのであって、勘兵衛、又兵衛の浪人組どもは、その塚を利用し、強奪して来た財宝....
「錬金詐欺」より 著者:小酒井不木
とである。尤も、錬金術の抑もの起りは必ずしも黄金製造のためではなかった。即ちその
濫觴ともいうべきは古代エジプトに於ける金属の染色術に外ならなかったのである。古代....
「「生活」+「戦争」+「競技」÷0=能」より 著者:癋見鈍太郎
ーツをもう一つノンセンスにしたものが、舞い、歌い、囃子(胴上げ、凱歌、拍子がその
濫觴……だかどうか知らないが)となるわけである。そうしてまた、その舞い、歌い、囃....
「瘠我慢の説」より 著者:木村芥舟
これぞ我大日本国の開闢以来、自国人の手を以て自国の軍艦を運転し遠く外国に渡りたる
濫觴にして、この一挙以て我国の名声を海外諸国に鳴らし、自から九鼎大呂の重を成した....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
なく、また何の憚るところもなく、事実をそのままに写生したもので即ち後年の写生文の
濫觴であったのである。居士が此の文章を見てホホと笑を洩らしたという処に居士の余に....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
なる諸美術を作出《つくりいだ》しぬ。暫《しばら》く事を歴史に徴するに、わが劇場の
濫觴《らんしょう》たる女歌舞伎《おんなかぶき》の舞踊は風俗を乱すの故《ゆえ》を以....
「妾宅」より 著者:永井荷風
心持になるのであった。 三 人種の発達と共にその国土の底に深くも根ざした思想の
濫觴《らんしょう》を鑑《かんが》み、幾時代の遺伝的修養を経たる忍従棄権の悟《さと....