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「濫費〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

濫費の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
風の便り」より 著者:太宰治
ぶん深く愛しているようです。日常の手紙などで、あなたのもったいない情熱をこんなに濫費《らんぴ》されて、たまるものかという気がしました。私は、自分を愛するよりも、....
土曜夫人」より 著者:織田作之助
のせいだったのだ。 陽子の父の中瀬古鉱三は、毒舌的な演説のうまさと、政治資金の濫費と、押しの強さで政界に乗り出していたが、元来一徹者の自信家で、人を小莫迦にす....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
に行なわれない。また長年養って商売化した兵隊は非常に高価なものであります。それを濫費することは、君主としては惜しいので、なるべく斬り合いはやりたくない。そういう....
蟹工船」より 著者:小林多喜二
きになり、一カ月位経つと、一週間一度。そしてとうとう月二回にされてしまった。水の濫費を防ぐためだった。然し、船長や監督は毎日お湯に入った。それは濫費にはならなか....
工場細胞」より 著者:小林多喜二
究会だが、君は九人の労働者を物識り、陳腐な、そして何時でもシタヽカの失敗と精力の濫費を重ねて来たようなやり方でなしに、――今、その地の労働者は、資本家に対して如....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
かな用意をもって、倹約して物を使っているのに、この木の芽の塩っぱい匂は、あまりに濫費に過ぎ、あまりに一人よがりに過ぎはしないだろうか。――とはいうものの、自然に....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
常識のない暑さ! 私の判断では、確かにこの汽車は機関の余剰スチイムを車内へ向けて濫費しています。』 そうして、彼女は、私達が抗議するひまもなく、今まで彼女を、....
岡本一平論」より 著者:岡本かの子
受ける月給の高さえ忘れて居るという風です。近頃、口腹が寡欲になった為、以前の様に濫費しません。 氏は、取り済した花蝶などより、妙に鈍重な奇形な、昆虫などに興味....
字で書いた漫画」より 著者:谷譲次
ま』だって気になるわ。」 「いいんだよ。君はただ小鳥のように飛びまわって、お金を濫費さえしていたら、何も文句はないじゃないか。」 「あら、ずいぶんね! 何がそん....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
そこんなものでありますから、「貯金するばかりが能でない」と諸君に言うのであって、濫費をすすめるのではないことはもとより、金を軽んじよというのではなおさらありませ....
地上」より 著者:島田清次郎
わしい惨虐がやって来た。機械になり切れない小妻にとってはそれは惜しい惜しい生命の濫費だった。まだ二十五にもならない小妻は、やせこけて暗い凋びた容貌に変じてしまっ....
」より 著者:織田作之助
だろうと、その成長を見守っていたのだが、文壇へ出て二三年たたぬうちに、はや才能の濫費をはじめた。 達者で、器用で、何をやらせても一通りこなせるので、例えば彼の....
狂人日記」より 著者:秋田滋
が他の民族を殺す戦争によって、自らを慰めるのだ。ところで、戦争というものは、血の濫費にほかならぬ。この濫費のために軍隊は熱狂し、市民たちは、女子供たちまでが、殺....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
ります。 それで、九九、八十一人の議員諸君におかれましても、努めてこの人類の大濫費を節約せられる意味で、煤煙征伐をして下さるなら、私の幸福はこれに過ぎるものは....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
そつがないのであります。時には富豪のように散じ、時には貧者のように貯えて、愛惜と濫費の別が見えないのであります。その自然さ、そして才気の底の知れなさ、秀吉は、天....