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瀬戸際
「瀬戸際〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
瀬戸際の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
ゆくのではないかと思われて、不安はいっそう募ってくるばかりでした。ところが、その
瀬戸際で危うく引き止めてくれたのは、ある一つの観念が、ふと私の頭の中で閃《ひらめ....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
ちまったから、もう大丈夫だ。そろそろ下りてきてはどうだ」 僕はホッとした。危い
瀬戸際であった。もうやられたかと思った刹那に救われたのだった。途端に関節から急に....
「地中魔」より 著者:海野十三
るんだ。 三吉はどこへ消えたのであろうか。 解けぬロープ 三吉は、危い
瀬戸際で、子分の足許を鼠のように潜りぬけると、扉の向うへ入ってしまったのだった。....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
だけで、それ以外の多くを訊ねる必要はないのです。これこそ、貴女にとれば一生浮沈の
瀬戸際でしょう。重大な警告と云う意味を忘れんように……」と沈痛な顔で、まず熊城が....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
立った。 「憶えておき給え。最初に鍵を差し込んで、もう一捻りで棧が飛び出すと云う
瀬戸際まで捻っておくんだ。そして、片方の糸を――解けない方だよ――把手の角軸に結....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
ち、崩れるように床へ転げ落ちてしまったのだ。 ルチアノ一味の手が肝腎なところの
瀬戸際で、クルトの口を塞いでしまったのである。西経……、ああそれが分れば。 ....
「恐竜島」より 著者:海野十三
た。この三人は恐竜を怒らせてしまって、四頭からのはげしい襲撃をうけたが、あやうい
瀬戸際をどうにか防ぎまもって、やっとのことで生命をひろった。すきを見て、三人は死....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
行けないよ。だってそうじゃないか、僕の妹が絞首台へ送られるか送られないですむかの
瀬戸際に今立っているんだからね。一秒でも早く犯人を突留めたい。犯人らしい有力者で....
「毒瓦斯発明官」より 著者:海野十三
も似合わん、えらく気が大きいじゃないかい」 「博士、わしの報復成るかどうかという
瀬戸際なんです。あに真剣にならざるを得んやです」 「そうか。なら、よろしい。ちょ....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
働きだした。 艇ははげしく震動し、尾部からは濛気が吹きだす。この三十秒が、命の
瀬戸際だ。どうぞミミ族よ、気がつかないように……。 だが、それは無理だった。こ....
「火星兵団」より 著者:海野十三
切りはなし、博士自身が操縦桿をにぎっているが、ここは、機械にまかせられない重大な
瀬戸際である。
博士は、操縦桿を両手でぐっとにぎり、両脚をふんばったまま、化石....
「流線間諜」より 著者:海野十三
暗中で顔を赧らめた。慌てないつもりでいたが、やはり慌てていたのだ。もちろん生命の
瀬戸際で軽業をしているような有様なのだから、慌てるのが当り前かも知れないが……。....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
オクタン価の良質油とは。が、折竹の粟粒のような汗。ここが、助かるか助からないかの
瀬戸際という意気が、目にも顔にも、燃えるように漲っている。案の定、セルカークは恍....
「北斗帖」より 著者:違星北斗
亦今年不漁だったら大へんだ 余市のアイヌ居られなくなる 今年こそ乗るかそるかの
瀬戸際だ 鰊の漁を待ち構えてる 或る時はガッチャキ薬の行商人 今鰊場の漁夫で働く....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
咤した。 小間使こそ、膝は犯される、主人には叱られる、ばたばたと身を悶え、命の
瀬戸際と振放してフイと遁げた。 愛吉は腕を反し、脚を投出したまま哄然として、 ....