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「灌水〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

灌水の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
青蛙神」より 著者:田中貢太郎
揚子江と灌水の間の土地では、蛙の神を祭ってひどく崇めるので、祠の中にはたくさんの蛙がいて....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
掛の膝をきちんと座って、さま/″\の話をする。昔からタヾの医者でなかった翁の所謂灌水は単に身体の冷水浴をのみ意味せぬ如く、治術も頗活機に富んだもので、薬でなくて....
道標」より 著者:宮本百合子
トルケスタン地方では、農民を武力で脅し、コルホーズに加入したがらない者の耕地には灌水してやらないとか、工業製品を供給してやらないとか脅した指導員があった。伸子は....
渋谷家の始祖」より 著者:宮本百合子
れるかも知れないという福音なのである。 これは全く正隆にとっては、眠気醒しの、灌水浴《シャワーバス》ともいうべきものであった。ぼんやりと、霞の掛ったような頭の....
幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ぽた、ぽた、顔に落ちて来ました。 「うわあ。」と、とんきょうにさけんで、こんどは灌水浴をするつもりで下へおりました。 湯番は着物を着こんだ男がとびだしたのをみ....
上海の渋面」より 著者:豊島与志雄
杭州の西湖は別として、楊州の通称西湖は大運河の名残りの川沼であり、南京の秦淮河は灌水の濠であり、そこに浮ぶけちな画舫ぐらいなものは上海にもあってよかろうと、甚だ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
エル氏の予算表であった。 司教区の臨時の収入、すなわち結婚公示免除、結婚免許、灌水《かんすい》式、説教、会堂や礼拝堂の祝祷《しゅくとう》、結婚式、などの収入に....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
女らの心を変えさした。子供心のいかにも無邪気な理由ではないか。それにしても、手に灌水器《かんすいき》を持ち、譜面机の前に四人ずつ立って、数時間歌を歌うという幸福....
家なき子」より 著者:楠山正雄
何百というガラスを毎日二度ずつ動かさなければならなかった。 このあいだリーズは灌水に使う水上げ機械のそばに立っていた。そして皮のマスクで目をかくされた老馬のコ....
一週一夜物語」より 著者:小栗虫太郎
です。が、その頃から、鏡玉が室の温度に馴れ、やっと靄が霽れはじめてきました。と、灌水のひらいた、夕立のような音がする。 それも、湯のほうが捻られて、もうもうと....
田舎医師の子」より 著者:相馬泰三
」と云って、どんなに仲よく自分と遊んだかという事。それから去年の夏、裏の畑の中へ灌水用の井戸を掘ったところが、そこから多量に瓦斯が出だして、あまりたくさんに出る....
決闘」より 著者:神西清
さ。……まあ溶け出すんだね。」 「癒るかね。」 「癒る、手遅れでさえなければ。冷灌水浴、発泡膏。……それから何か内服薬と。」 「ふむ。……これでもう僕の現状がわ....
学問の独立」より 著者:福沢諭吉
または農作等に用うる機関の類《たぐい》はむろん、日常の手業《てわざ》と名づくべき灌水・割烹・煎茶・点燈の細事にいたるまでも、悉皆《しっかい》学問上の主義にもとづ....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
る薬をたまに摂っている。また君のすすめに従って腹部に薬草を貼ることも始めた。――灌水浴のことはフェーリングは耳を傾けようとしない。だいたい彼に対して僕は大いに不....