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灌腸
「灌腸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
灌腸の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「道草」より 著者:夏目漱石
に同じ病で苦しんだ昔と照し合せて見たりした。もう二、三日食物が通らなければ滋養|
灌腸《かんちょう》をするはずだった際どいところを、よく通り抜けたものだなどと考え....
「足迹」より 著者:徳田秋声
て行った。 四十六 三週間も経った。そのころには、病人の体もただ薬の
灌腸や注射で保たしてあるくらいであった。頭脳がぼんやりして、言うことも辻褄が合わ....
「黴」より 著者:徳田秋声
はその日は、千葉の分院へ出張の日であった。 寝たまま便を取らせたり、痛い水銀|
灌腸をとにかく聴きわけて我慢するほどに、子供が病室に馴らされるまでには、それから....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
つあるに違いないことだろうと思っている。 家族が病気で大騒ぎの時、いちじく印の
灌腸薬を書生M君に大急ぎで買いにやりました。私が「オイ
灌腸はまだか、早く早く」と....
「新女大学」より 著者:福沢諭吉
しむ可らず、事《こと》急なれば医者の来るまで腰湯パップ又は久しく通じなしと言えば
灌腸を試むる等、外用の手当は恐る/\用心して施す可きも、内服薬は一切禁制にして唯....
「深川女房」より 著者:小栗風葉
て見たらどうだね!」 「いいや、もう少し待って見て、いよいよ利きが見えなかったら
灌腸しよう」と下腹をさすりながら、「どうだったい、お仙ちゃんの話は?」 「まあ九....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
美しい娘というのは、虚弱で下剤の利かぬ体質だったために秘結に苦しんでいましたが、
灌腸を嫌うので治療の仕様もなくて、どの医者も手を引きましたので、父は家人に話して....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
ったんでございまス。さあ、お邸《やしき》へ飛んで帰って、それから医者を呼ぶやら、
灌腸《かんちょう》をするやら、大騒ぎになりましたが、本当に神様も無慈悲な方でござ....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
添婦がかたみ代りに勧めても首を振って用いなかった。仕方がないので遂に医師は滋養|
灌腸を試むるようになった。居士はその時余を手招きして医師は今何をしたかと聞いた。....
「卑怯な毒殺」より 著者:小酒井不木
ら取っても、腹の表面へ出て、口は用をなさなくなったのだ。だから、今まで僕は滋養|
灌腸で生きて来たのだ。君が今のませた丸薬と水は、腹にあててある繃帯が吸い取ってし....
「二階から」より 著者:岡本綺堂
見えた。その目見得の晩に私の甥が急性|腸胃加答児を発したので、夜半に医師を呼んで
灌腸をするやら注射をするやら、一家が徹夜で立騒いだ。来たばかりのおたけは勝手が判....
「童子」より 著者:室生犀星
けられた。それを見い見い、やはり死んだかと、信じかねた。 「今死のうとする赤児に
灌腸するのはよくないじゃないか。あのとき呼吸が上の方へグッと詰ったような気がした....