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灘
「灘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
灘の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「松江印象記」より 著者:芥川竜之介
つばき》が濃い紅《くれない》の実をつづる下に暗くよどんでいる濠《ほり》の水から、
灘門《なだもん》の外に動くともなく動いてゆく柳の葉のように青い川の水になって、な....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
と敵国空軍の行動を報告してきた。それが紀州沖から、志摩半島沖、更に東に進んで遠州
灘沖と、だんだん帝都に接近してきた。 それに反して、第四師団のある大阪方面では....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
神戸では「兵庫区、湊区、湊東区の大部分を焼失した。また葺合、神戸、須磨、林田、
灘の一部分焼失」 ◯四月十五日、十六日の夜間空襲のときはちょうど神戸の益三兄さん....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
もの、百枚|一巻九千連。鮟鱇五十袋。虎河豚一頭。大の鮹一番。さて、別にまた、月の
灘の桃色の枝珊瑚一株、丈八尺。(この分、手にて仕方す)周囲三抱の分にござりまして....
「怪塔王」より 著者:海野十三
あ、それもやってみました」 「やった?」 「はい、ちょうど駆逐艦|太刀風が、鹿島
灘の東方約二百キロメートルのところを航海中でありましたので、それに例の怪電波の方....
「空襲下の日本」より 著者:海野十三
郊に、立川飛行連隊がある。南の方で東京湾の入口|追浜には海軍の航空隊がある。鹿島
灘に対して、霞ヶ浦の海軍航空隊があるが、これは太平洋方面から襲撃してくる米国の航....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
めは胴の間の横木を枕に、踏反返って、ぐうぐう高鼾になったげにござります。 路に
灘はござりませぬが、樽の香が芬々して、鮹も浮きそうな凪の好さ。せめて船にでも酔い....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
。 あれ聞け……寂寞とした一条廓の、棟瓦にも響き転げる、轍の音も留まるばかり、
灘の浪を川に寄せて、千里の果も同じ水に、筑前の沖の月影を、白銀の糸で手繰ったよう....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
何も見えぬ。 四ツの壁は、流るる電と輝く雨である。とどろとどろと鳴るかみは、大
灘の波の唸りである。 「おでんや――おでん。」 戸外を行く、しかも女の声。 ....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
目である。処を、信也氏は実は酔っていた。 宵から、銀座裏の、腰掛ではあるが、生
灘をはかる、料理が安くて、庖丁の利く、小皿盛の店で、十二三人、気の置けない会合が....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
憂慮いもなく、ただ景色の好さに、ああまで恐ろしかった婆の家、巨刹の藪がそこと思う
灘を、いつ漕ぎ抜けたか忘れていたのに、何を考え出して、また今の厭な年寄。…… ....
「多神教」より 著者:泉鏡花
して、虚空を一飛びに飛返ってござる。が、ここは風が吹きぬけます。途すがら、遠州|
灘は、荒海も、颶風も、大雨も、真の暗夜の大暴風雨。洗いも拭いもしませずに、血ぬら....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
さい。勿論その時分乗りものが有ろう筈もない。 然るに湧き返る青年達の血潮は玄海
灘から吹きつける肌寒い夜風位いには驚きません。歌論は歌論へ、秋月は歌心へ、帰り行....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
あるかないか、それさえよく覚えていない。――思い出せば、その酒と鮪の最中、いや、
灘の生一本を樽からでなくっちゃ飲めない、といった一時代もあったが、事、志と違って....
「西航日録」より 著者:井上円了
船なり。晩来風浪少しく起こり、船体ために微動せるも、かえって催眠の媒介となり、遠
灘七十三里は一夢のうちに過ぎ去り、暁窓近く紀南の諸山に接見す。午後、神戸入津。哲....