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火の手
「火の手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
火の手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
に私の道徳感情も亀裂《きれつ》を生じなかったと申せましょう。どうして私の利己心も
火の手を揚げなかったと申せましょう。私はここに立ち至ってやはり妻を殺したのは、殺....
「路上」より 著者:芥川竜之介
な都会人は、ああ云う種類の美に盲目《もうもく》だからいかん。」と、妙な所へ攻撃の
火の手を上げ始めた。
「そりゃ君ほど烱眼《けいがん》じゃないが。」
「冗談じゃな....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
ないと――」
尊は皺《しわ》だらけな顔に苦笑を浮べて、今はさらに拡がったらしい
火の手を遥に眺めながら、黙って震《ふる》えている姪《めい》の髪を劬《いたわ》るよ....
「或る女」より 著者:有島武郎
に対して虚偽という利子を払わねばならなかった。一方をもみ消すためには一方にどんと
火の手をあげる必要がある。早月母子《さつきおやこ》が東京を去るとまもなく、ある新....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
ますが、全く大焼けでございました。 山王様の丘へ上がりますと、一目に見えます。
火の手は、七条にも上がりまして、ぱちぱちぱんぱんと燃える音が手に取るように聞こえ....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
すが、どうしてもあの覆面探偵は怪しいですよ」と大江山はまたしても、青竜王｜排撃の
火の手をあげているのであった。「第一あの覆面がよろしくない。本庁の部下の間には猛....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
やっぱり日本の飛行機だよ。あのとき、怪しい男が無線室を襲ったり、それから数箇所に
火の手があがったりしたではないか。この飛行島に日本のスパイが忍びこんでいて、あの....
「空襲警報」より 著者:海野十三
いた。空中に乱舞する照空灯、その間に交って破裂する投下爆弾、メラメラと燃えあがる
火の手、遠くからながめても恐ろしい焼夷弾の力！ 「あれが、この町の上に降ってきた....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
れは、大きくなる。オイ皆、手を貸してくれッ」 どこでも手を貸せであった。見ると
火の手らしい黄色い煙が、横丁の方から、静かに流れてきた。 「オイ火事はこっちだッ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
地形は異いましたが、大体あの辺だったのでございます。私はそこで対岸のお城に最後の
火の手の挙るのを眺めたのでございます。 『お城もとうとう落ちてしまった……最早良....
「縮図帖」より 著者:上村松園
ら火事のなりゆきを見ていると、幸いにも風の方角が変って三軒ほど焼けたが私の家まで
火の手はのびて来ないですんだ。私はやっと愁眉をひらいて風呂敷づつみを下に置いた。....
「座右第一品」より 著者:上村松園
の子がパッパッと飛んで来て、どうにも手のつけようがないと思ったことがありました。
火の手があまり急に強くなりましたので、家財道具を取り出すという余裕もありませず、....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
出すものやら、やあ、人が見える、と手を拍いて嬉しがるッていう処でさ。 さすがに
火の手を上げなかったもんですから、そら、ちっとばかし残ったでしょう。 処で、炎....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
も鎖せ、掛矢で飛込んでも逢いたい。心に焼くように、雪の家の空あたりが、血走る目で
火の手になり、赤いまでに見えるけれども、炎を水にし氷にしても、お孝という、赤坂で....
「迷信解」より 著者:井上円了
の天狗名乗りつつ退く。長老は無性になりぬ。そのとき、近所の者どもは寺の客殿の上に
火の手上がりたるを見、火事ありと思いておびただしく馳せ集まれり。それより昼夜の別....