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火傷
「火傷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
火傷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鼻」より 著者:芥川竜之介
、湯屋から汲んで来た。しかしじかにこの提へ鼻を入れるとなると、湯気に吹かれて顔を
火傷《やけど》する惧《おそれ》がある。そこで折敷《おしき》へ穴をあけて、それを提....
「魔術」より 著者:芥川竜之介
胆《あらぎも》を挫《ひし》がれたのでしょう。皆顔を見合せながらうっかり側へ寄って
火傷《やけど》でもしては大変だと、気味悪るそうにしりごみさえし始めるのです。
....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
それも百姓に珍らしい長い顔の男で、禿《は》げ上《あが》った額から左の半面にかけて
火傷《やけど》の跡がてらてらと光り、下瞼《したまぶた》が赤くべっかんこをしていた....
「星座」より 著者:有島武郎
前がお茶でも持ってでた覚えはないかな。※《あご》の左の方にちょっと眼に立つほどの
火傷のあとがあるそうだが……」
おせいはそれを聞くと身がすくむようだった。体が....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
、渇かし切ってござって、突然がぶりと喫りまするで、気を着けて進ぜませぬと、直きに
火傷を。」 「
火傷を…うむ。」 と長い顔を傾ける。 二 「同役と....
「映画と癩の問題」より 著者:伊丹万作
たいの感じは真珠貝の裏に似ており、紫や桜色にテラテラと輝いて見えた。そして全体が
火傷のあとのように引きつって見え、顔というよりも、むしろ何か極めて薄い膜を根気よ....
「春昼」より 著者:泉鏡花
親仁より、余計に額に皺を寄せて、雁首を狙って取ろうとする。火は附いていないから、
火傷はさせぬが、夢中で取られまいと振動かす、小児は手を出す、飛車を遁げる。 よ....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
なびた地蔵菩薩のようであった。 親仁は抱しめもしたそうに、手探りに出した手を、
火傷したかと慌てて引いて、その手を片手おがみに、あたりを拝んで、誰ともなしに叩頭....
「古狢」より 著者:泉鏡花
だなんのって、そんな怪我ではないのです。療治は疾うに済んだんですが、何しろ大変な
火傷でしょう。ずッと親もとへ引込んでいたんですが、片親です、おふくろばかり――外....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
疾え、と鬼と組んだ横倒れ、転廻って揉消して、生命に別条はなかった。が、その時の大
火傷、享年六十有七歳にして、生まれもつかぬ不具もの――渾名を、てんぼう蟹の宰八と....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
たった一人の女房の、寝顔の白い、緋手絡の円髷に、蝋燭を突刺して、じりじりと燃して
火傷をさした、それから発狂した。 但し進藤とは違う。陰気でない。縁日とさえあれ....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
とく包んで伏せた。 頸を細く、面を背けて、島田を斜に、 「あっ。」と云う。 「
火傷はしないか。」と倒れようとするその肩を抱いた。 「どうなさいました。」と女房....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
えてまさ。 ですから、おかみさん、ちょっとでもあン畜生に触るが最後、直に誰でも
火傷をします。火の玉のような奴で、東京中の床屋という床屋、一軒残らず手を焼いてし....
「妖怪談」より 著者:井上円了
全力を注いで、人の話なぞは耳にも入らず、タバコの火を消さずに着物を焼いて、皮膚に
火傷をいたしましてはじめて感ずるというようなことは、たくさんあります。これと同じ....
「迷信解」より 著者:井上円了
法と名づくる方が適当じゃ。ほかにもこれに類したる例がある。すなわち、「東京麻布に
火傷の御札を出す所あり。その形名刺に似て、その表に「上」の字あり。この札をもって....