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火勢
「火勢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
火勢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
音も聞えて来る。 かがり火は、薪木の性と見え、時折、ぷちぱちと撥ね、不平そうに
火勢をよじりうねらすが、寂莫たる天地は何の攪《か》き乱さるる様子もなく、天地創っ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
にも火の子がうちへ入るので目は放されず、おまけに風下にいるので、七、八軒向こうの
火勢がまともに吹きつけ、煙はもうもう、息をするのが苦しくなる。 ラジオも、アル....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
寄ることが出来ないとのことであった。市村君は一時間ほども話して帰った。番町方面の
火勢はすこし弱ったと伝えられた。 十二時半頃になると、近所が又さわがしくなって....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
枯れ草のかたまりへ移した。火は大きくなった。こんどは、それを枯れ枝の方へ移した。
火勢は一段と強くなった。それから先はもう困らなかった。明るい、そしてあたたかい焚....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
、カーテンが一瞬《いっしゅん》に焔《ほのお》と化した。めらめらぱちぱちと、すごい
火勢《かせい》に、研究室はたちまち火焔地獄《かえんじごく》となり、煙のなかに逃げ....
「火星兵団」より 著者:海野十三
ながら、隊伍堂々と下へ下りていった。
あの恐しい墜落ぶり、そうしてあのはげしい
火勢では、乗っていた者は、だれ一人として助るまいと思われた。
自動車は、赤い焔....
「大空魔艦」より 著者:海野十三
りこんで、あたるを幸いと切って切って切りまくる。 そのころ火のついた油タンクは
火勢を一段とつよめて燃えさかる。 にげまどう敵の脂汗にまみれた顔に、紅蓮の火が....
「雷」より 著者:海野十三
からあとへと続いた。 その最中、町では大騒ぎが起った。 「おう、火事だ。ひどい
火勢だッ」 「これはたいへんだぞ。勢町の方らしいが、あの真黒な煙はどうだ。これは....
「空襲警報」より 著者:海野十三
、なおも隣家の方へ燃えひろがっていった。 まったく手の下しようもない。みるみる
火勢はものすごさを加えていって、往来へとびだしてみると、もう屋根の上へ真赤な炎が....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
目駄目。……ああ早く抜けないと、あたし焼け死んじまう」 なるほど、露地の奥から
火勢があおる焦げくさい強い熱気がフーッと流れてきた。たしかに火は近づいた。彼は愕....
「南極の怪事」より 著者:押川春浪
れて、その動かざる事あたかも巨山のごとし、余は疑えりあやしめり、されどその間にも
火勢はますます激しく、余の帆船は今や全部一団の火とならんとす、● 躊躇せばただ....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
あとから馳け出して来る。炭塊に燃移った焔は、捲き起された炭塵の群に次々に引火して
火勢はみるみる急となった。お品は背後に続く男の乱れた跫音と、目の前の地上に明々と....
「くまと車掌」より 著者:木内高音
、たがいにすきをねらってにらみ合っているような、不気味なものだった。 こっちの
火勢がよわければ、今にもとびかかろうかという気配が見えた。 自分は、さっき石油....
「火に追われて」より 著者:岡本綺堂
寄ることが出来ないとのことであった。市村君は一時間ほども話して帰った。番町方面の
火勢はすこし弱ったと伝えられた。 十二時半頃になると、近所がまたさわがしくなっ....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
、イギリス、アメリカ三国はヤソ新教の国なるも、近来旧教すなわちローマ宗の旧燼再び
火勢を生ずるに至り、ヤソ教の進路すでに極まりて旧途に復するの状あり。これによりて....