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火口
「火口〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
火口の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
らは風にこきおろされた煙の中にまじって火花が飛び散っていた。店は熔炉《ようろ》の
火口《ひぐち》を開いたように明るくて、馬鹿馬鹿しくだだっ広い北海道の七間道路が向....
「星座」より 著者:有島武郎
た。
母を送りだして茶の間に帰ったおぬいは、ストーヴに薪《まき》を入れ添えて、
火口のところにこぼれ落ちた灰を掃除しながら時計を見るともう三時になっていた。部屋....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
入れて、炭を継いで、土瓶を掛けて、茶盆を並べて、それから、扇子ではたはたと焜炉の
火口を煽ぎはじめた。 「あれに沢山ございます、あの、茂りました処に。」 「滝でも....
「灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
フレネル・レンズのはまった三角筒の大ランプは、その一部に大破損を来し、暗黒のその
火口からは、石油ガスが漏れているらしく、シューシューとかすかな音を立てていた。そ....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
気がない。空気がなければ、音はないわけだ」 「ああ、そうでしたね」 月の噴
火口《ふんかこう》 偵察ロケットは、三台も発射された。 それは小型のロケット....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
気《け》は出した。例のラジウム二百|瓦《グラム》の入った鉄の箱が、この三原山の噴
火口《ふんかこう》の中に投げこんであると耳にしたもんだから、なんとかそれを取出そ....
「恐竜島」より 著者:海野十三
長も、大切な酒入りの水筒を背中の方へまわしてひょろひょろと立ち上った。 旧
火口《きゅうかこう》か 一行は、ついに問題の崖上の密林の中へ足をふみこんだ。 ....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
が手にとるようにありありと見えた。殊に放射状の深い溝を周囲に走らせている巨大な噴
火口のようなものは、非常に恐ろしく見えた。 月世界の外の空間は全く暗黒であった....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
ら、ほりかえされた坑道が、あっちにもこっちにも、ぽかんと口をあけ、あるところは噴
火口のように見えていた。 金田と、川上、山岸の三人は、この日このように破壊され....
「崩れる鬼影」より 著者:海野十三
駈けつけてみましたが、鳴呼これは一体どうしたというのでしょう。山の上に、まるで噴
火口でもあるかのように、ポッカリと大穴が明いているのです。穴から下を覗いてみます....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
半ばには再度ベスビアスに登ったが、二度目の時は丁度噴火のあった際であり、それに噴
火口に着いたのが夕方の七時半だったので、一段の壮観をほしいままにした。 六月に....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
、姑小姑に虐められた事だの、井戸川へ身を投げようとした事だの、最後に、浅間山の噴
火口に立って、奥能登の故郷の方に向って手を合わせて、いまわという時、立騰る地獄の....
「感応」より 著者:岩村透
も誰か持っている人があるだろうが、中々巧いもので、殊に故郷の布哇で有名な、かの噴
火口の夜景が得意のものであった。この人は彼地有名の銀行家ビショップ氏の推薦により....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
人あり、その寝に就くに、数|壜に熱湯を盛り脚冷を防ぎけるに、その夜、エトナ山の噴
火口辺りを徘徊したりと夢みし」と。そのエトナ山の観念を、足に熱を覚えたるによりて....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
大雪山群峰の盟主ともいうべき北鎮岳の頂に達して、さらに驚きぬ。周回三里ばかりの噴
火口を控えたり。その噴
火口は波状の平原に連れるが、摺鉢の如くには深く陥らず、大皿....