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「火坑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

火坑の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
鯉魚」より 著者:岡本かの子
た。 「仏子、仏域を穢《けが》すときいかに」 「鯉魚」 「そもさんか、出頭、没溺火坑深裏」 「鯉魚」 「這《しゃ》の田舎奴《でんしゃぬ》、人を瞞《まん》ずること....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
松は初めて覚った。油を塗った柱に倚りかかった二人は、忽ちにからだを滑らせて地獄の火坑にころげ墜ちるのであろう。彼はもう堪まらなくなって眼をとじようとすると、階段....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
にして復讎すべき、いかにしてうらみ重なる片岡川島両家をみじんに吹き飛ばすべき地雷火坑を発見し、なるべくおのれは危険なき距離より糸をひきて、憎しと思う輩の心|傷れ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
が、まざまざと見ました。 そこで弁信は思わず合掌《がっしょう》して、 「推落大火坑、念彼観音力《ねんぴかんのんりき》、火坑|変成池《へんじょうち》……」 と念....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
する兵士らと、数百万の金によって包囲された都市。あたかも不意を襲われて占領された火坑におけるがごとく、軍事上の危険の皆無としかも爆発の可能。流血も少なく、得られ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
に際会していた。 ただ一度の目つきが、すべてそういう変化をもたらしたのである。火坑には既に火薬がつめられている時、火災の準備が既にでき上がっている時、それより....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
形が保たれることはできないかのようで、戦士らは皆燃え上がっていた。そして白兵戦の火坑精らがそのまっかな煙の中に行ききするのは、見るも恐ろしい光景だった。その壮大....
坑鬼」より 著者:大阪圭吉
も、他坑への引火が恐れられた。それは今も昔も変らぬ炭坑での習わしであった。 発火坑の前には、坑夫や坑女達が詰めかけはじめていた。皆んな誰もかも裸でひしめき合っ....
二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
リ口に感服しなくてもまるきり革命が起るのを洞観しないじゃなかった。「露西亜は今噴火坑上に踊ってる。幸い革命党に人物がないから太平を粧っていられるが、何年か後には....
寒中滞岳記」より 著者:野中至
あ》い、数十日の日子《にっし》と労力とを費して搬《はこ》び上《あ》げたる木材を噴火坑内に吹き飛ばされ、剰《あまつ》さえ人夫らの中《うち》に、寒気と風雨とに恐れ、....
私本太平記」より 著者:吉川英治
の 深き誓ひのあまねさに 頼みをかくる 法の舟かな と詠じ、つづいて弟直義は、火坑変成池 を題に、 さだまれる 姿の物になき故に たやすく火をも 水と為すら....
私本太平記」より 著者:吉川英治
眠りの中で思ってみても寂かな池の花でも見ているようで気もちがいい。いまだに地獄の火坑から脱け出られない自分にかえりみて羨ましかった。 「おう、そういえば、右馬介....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
だそういった話を聴かない。伊豆の三宅島なども家の炉はジロと謂ったらしいが、火山の火坑だけは今もこれをホドと呼んでいる。ただし八丈島へ行くと、噴火口はカナドである....