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「火夫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

火夫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
窮死」より 著者:国木田独歩
。 この時赤羽行きの汽車が朝日をまともに車窓に受けて威勢よく走って来た。そして火夫も運転手も乗客も、みな身を乗り出して薦《こも》のかけてある一物《いちもつ》を....
過古」より 著者:梶井基次郎
彼の足もとまで押し寄せた。 汽鑵車の烟《けむり》は火になっていた。反射をうけた火夫が赤く動いていた。 客車。食堂車。寝台車。光と熱と歓語で充たされた列車。 ....
機関車」より 著者:佐左木俊郎
靄で、ちっとも見えやしねえんだもの。」 機関手が呟きながら降りて行った。助手の火夫が続いて飛び降りた。 「轢いたんじゃないか?」 車掌が駈けつけて来た。 「....
党生活者」より 著者:小林多喜二
気になるか二気になるかで、勝ち負けが決まるんじゃないかな……?」 「そ。あとは点火夫だけが必要なのよ――八百人のために!」 伊藤はめずらしく顔に興奮の色を出し....
蟹工船」より 著者:小林多喜二
だ手を懐につッこみながら、背を円るくして起き上ってきた。監督は雑夫や漁夫、水夫、火夫の室まで見廻って歩いて、風邪をひいているものも、病気のものも、かまわず引きず....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
から出帆して来た。艦長木村|摂津守、指揮官|勝麟太郎をはじめ、運用方、測量方から火夫水夫まで、一切西洋人の手を借りることなしに、オランダ人の伝習を受け初めてから....
喫煙癖」より 著者:佐左木俊郎
月寒までです。前から知っている牧場で、汽罐を一つ据え付けたもんですて、そこのまあ火夫というようなわけで……」 「これから寒くなりますから、それは、結構な仕事でご....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
だらけな顔をした耄碌頭巾の好い若い衆が気が抜けたように茫然立っていた。刺子姿の消火夫が忙がしそうに雑沓を縫って往ったり来たりしていた。 泥塗れのビショ濡れにな....
爆薬の花籠」より 著者:海野十三
えをかけた。 「それが、たいへんなのよ。石炭の中に、団長さんが埋まっていたのよ。火夫が、石炭をとりに来て、石炭の山にのぼると、真暗な奥から、うめきごえがきこえた....
火薬船」より 著者:海野十三
号の積荷をはこびこんでいる例の倉庫だったのである。 「あっ、船長」 ノーマ号の火夫の一人が、目ざとく、二人をみつけた。 「おう、だれにもいうな。こいつ、意気地....
幽霊船の秘密」より 著者:海野十三
地点さして進んでゆくのであった。 現場附近 いい気持で、睡っていた船員や火夫達は、一人のこらず叩き起され、救助隊が編成せられ、衛生材料があるだけ全部船長....
臨時急行列車の紛失」より 著者:新青年編輯局
用意された客車で、他の三室は空だった。車掌としてジェームス・マックファースンが、火夫としてはウィリアム・スミスがそれぞれ乗込むことになった。 カラタール氏は、....
火夫」より 著者:カフカフランツ
ならば納得のいく考えが、隠れた難点をもっているように思われた。 「だって、わしは火夫でさあ」と、男はいった。 「あんた、火夫さんですか!」と、まるでそのことがあ....
」より 著者:織田作之助
職業紹介所に行った。家出した男にうまい仕事がある筈はなし、丸金醤油運搬用貨物船の火夫の口ならあるといわれ、四国の小豆島に渡った。成るにこと欠いて、火夫などになっ....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
る手を発明した。つまり百ふごのうち三十ばかりはからっぽなのである。もちろん汽船の火夫は、松島の新地へ連れていって買収してある。しかし結局この手はバレてしまった。....