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「火急〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

火急の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
恩を返す話」より 著者:菊池寛
迷った末、次のような手書を認《したた》めた。 「一|書《しょ》進上致しそろ、今日火急の御召《おめし》にて登城致し候処、存じの外にも、そこもとを手に掛け候よう上意....
藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
出る) 女中 藤十郎様にお文がまいりました。 若太夫 (中途で受取りながら)火急の用と見える。(藤十郎に渡す) 藤十郎 (受取りて)おおいかにも、火急の用事....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
。最後の任務を果たすために、飯坂上等兵と姥子一等兵を選抜して、東京警備司令部へ、火急の報告に出発させた。少尉が、腹部を射ちぬかれたのは、それから五分と経たない後....
白妖」より 著者:大阪圭吉
礼ですが、貴女は?……ああ、そうですか、私は、弁護士の大月と云うものですが、一寸火急の用件が出来まして……御主人は御在宅ですか?……え?……お留守?……東京の御....
賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
った。更に一人に、漕ぎ返って、海津表七千騎の内三分の一を此方へ廻せと命じた。この火急の場合、五里の湖上を漕ぎ返っての注進で、間に合いましょうやと尋ねると、いや別....
大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
食い上げになろうというもの。 「ところでわざわざ遠い宇治から麿を訪ねて参られた。火急の用のあってかな」 信輔は不思議そうに訊いたものである。 「火急と申すでは....
三甚内」より 著者:国枝史郎
へは出られねえ。こっちへこっちへ」 と梯子を下る。 六 今は火急の場合である。甚内は本意ではなかったが、投げ合掌と捨て念仏、お米の死骸へ義理....
銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
れはこうだ。銅銭会の会員が、茶椀と土瓶の位置の変化で、互いの意思を伝える法」 「火急の場合、これでご免」 「謹慎の身の上、お見送り致さぬ」 で弓之助は下屋敷を....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
ない――それとももしやその獣の……オヤ誰か来たようだ。こんなに朝早く来るからには火急の事件に相違あるまい」 コツコツと扉を打つ音がした。 「おはいり」とレザー....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
に武者ぞろえの御用意を仰せ出されました。若殿へもそのお使いにまいりまする。」 「火急の武者揃え……。」と、小坂部もおなじく眉をよせた。「して、その敵は……。」 ....
三枚続」より 著者:泉鏡花
は気絶たかも分らない。お夏さんはお夏さんで、雛を大切に取出しそうな権幕だったが、火急にも何にも内裏様|一個抱く時分にゃあ、火の粉を被んなすったに違いがないと、さ....
火葬と大蔵」より 著者:喜田貞吉
、いかにそれが便宜な葬法だからと云っても、どうで火葬のことだから、燎原の火の如く火急に広がったものであろうなどと、洒落て済ますべきものではない。葬儀の如きはこと....
法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
幾分でも立ってくれれば結構だくらいの意味において、何分翌月の雑誌に載らねばならぬ火急の事とて、推敲を加うるの暇だもなく、取りあえず書きっ放しの一夜漬けのままで、....
」より 著者:カフカフランツ
か、あなたの気まぐれというか、それをかなえてあげたいのですけれどね。つまり、事は火急なんです。ことに、村長との話合いの結果が思わしくはないもんですからね」 「そ....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
であると。そこでエセックスはもう一度、宮廷を去ると声明した――ウェールスの領地に火急の用事があるというのである。旅立ちのすべての用意は整い、人とウマとはまさに出....