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「火水〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

火水の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
へ先へと馬を進められた。 大将がこの有様であるから、軍兵ことごとく奮い立って、火水になれと戦ったから、越前勢の向うところ、敵勢草木のごとく靡《なび》き伏して、....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
非善悪の本念が湧き起り、何が何でも罪人を敬愛する道はないと思い、余が心の裡は殆ど火水の戦争である。 其のうちに秀子は気が附いて、徐ろに目を開き、第一に硝燈の光....
寛永武道鑑」より 著者:直木三十五
剣の時の物の役には立たぬ、剣術とは、徒らに竹刀の末の技では無いぞ。いざと云えば、火水の中へも飛込む肚を慥《こしら》えるものだ。お前なぞ、その肚が、一番に出来とら....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
。」 とがっくり俯向いたのが、ふらふらした。 「月は寒し、炎のようなその指が、火水となって骨に響く。胸は冷い、耳は熱い。肉は燃える、血は冷える。あっ、」と言っ....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
燕が行抜けそうにがらんとしていた。 乗るわ、降りるわ、混合う人数の崩るるごとき火水の戦場往来の兵には、余り透いて、相撲最中の回向院が野原にでもなったような電車....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
いやられる。お前さんも聞いていようか。むかし、正しい武家の女性たちは、拷問の笞、火水の責にも、断じて口を開かない時、ただ、衣を褫う、肌着を剥ぐ、裸体にするという....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
はやお寺へ逃げ込んだ時のように、痩《や》せて険《けわ》しいムク犬ではありません。火水《ひみず》になって働く大勢の働きぶりと、漲《みなぎ》り返る笛吹川の洪水とを見....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
は手早く身づくろいしました。同時に神尾の声高く笑うのが聞えます。 「アハハハハ、火水《ひみず》の苦しみとはこれだ、水の中へ投げ込まれて往生のしきれぬ奴が、火の中....
黒百合」より 著者:泉鏡花
して、憂苦に窶れ、愁然として肩身が狭い。慶造と呼ばれたのは、三十五六の屈竟な漢、火水に錬え上げた鉄造の体格で、見るからに頼もしいのが、沓脱の上へ脱いだ笠を仰向け....
田村将軍」より 著者:楠山正雄
というほどの人でした。ですから部下の兵士たちも田村麻呂を慕いきって、そのためには火水の中にもとび込むことをいといませんでした。 田村麻呂はそんなに強い人でした....
氷河」より 著者:黒島伝治
でも置いといちゃ場所をとって仕様がない。」 あと一週間になった。と、彼等は、月火水木……と繰り方を換えた。 今は、不潔で臭い病室や、時々夜半にひゞいて来るど....
火葬と大蔵」より 著者:喜田貞吉
葬はむしろ特別の場合という風に見えるによっても察せられる。 火葬は天竺に所謂風火水土の四葬の一つで、かの土には古くから行われていたものらしい。そしてその葬法が....
法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
ってむしろ余技とも見るべきこの問題は自然等閑に附されがちであった。しかるに近年防火水道布設の為に境内地発掘の事あり、引続き五重塔心柱礎内の秘密の発見の事などがあ....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
るのです。なんでこの四通りの葬り方があるかというと、インド哲学の説明では人体は地火水風の四つより出来て居るという。それゆえこの四つに帰る道があるので、土に帰るの....
五重塔」より 著者:幸田露伴
てじっくり頼めばぐっと引き受け一寸|退かぬ頼もしい男、塔は何より地行が大事、空風火水の四ツを受ける地盤の固めをあれにさせれば、火の玉鋭次が根性だけでも不動が台座....