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「火炉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

火炉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
をいよいよ陰惨にする。 後房と向かい合った部屋の隅に、鉄製らしい漆黒の、巨大な火炉が作り付けられてあったが、魔物の口とでも形容したい、カッとひらいた火口の奥で....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
弥陀 南無阿弥陀仏/\ と声高らかに詠誦する事三|遍にして、件の絵巻物を傍の火炉中に投じ、一片の煙と化し了んぬ。 かくて虹汀は心静かに座定を出で、家人を招....
雪魔」より 著者:海野十三
まで、まだ五丁ほどあった。 五助は家にいた。そしておどりあがって彦太を迎えた。火炉のむしろに腰をかけて、仲よしの二人は久しぶりに向きあった。東京から買って来た....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
も大きな釜であった。そこから湯気が上っている。熱湯が湛えてあるらしい。釜の下には火炉がある。焔がカーッと燃えている。釜の形は筒形である。上の方で花のように開いて....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
つに数えられている。なぜとならば、ここで一歩、ではない、一頭をあやまると、目前は火炉なので、その上には※湯《かくとう》が沸いている。よく昔の田舎《いなか》の子供....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
へのその墜落に酔っていた。……深淵にして神! 深潭《しんたん》にして神! 存在の火炉! 生命の※風《ひょうふう》! 生の激越のための――目的も制軛《せいやく》も....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ない。生のあらゆる喜びは、恋愛、才能、行為など、皆創造の喜びである! ただ一つの火炉から立ちのぼる力の火炎である。その大なる竈《かまど》のまわりに席を有しない人....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
にとって重要なことは、その力を自分のうちにまた他人のうちに呼び覚《さ》ますこと、火炉の上に一かかえの薪《まき》を投ずること、永遠をして燃えたたせることであった。....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
た。群集の熱を歌う人々の幻惑せる叙事詩であった。未来の都市を鍛え出す、 大なる火炉と巨《おおい》なる鉄敷《かなしき》との周囲 闇靄《やみもや》の中に浮かべる漆....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
se'〕(研がれたる者)という。――徒刑場とは何であるか。永劫《えいごう》所罰の火炉であり、一つの地獄である。囚人は自ら自分を fagot(薪束)と呼ぶ――終わ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
い勇気の堆積に火をつけ、その燃え上がるのを見ると思えば大差はない。戦いではなくて火炉の内部であった。口は炎の息を出し、顔は異様な様《さま》に変わり、人間の形が保....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
分の愚かしさを嗤いたくなった。だいたい壁炉というものは、必要のない期間だけ、下の火炉と煙突との間を、仕切りで塞いでおくのだ。ところが、それを焼き捨てた人物は、煙....
南国太平記」より 著者:直木三十五
寛之助の病平癒の祈祷をするといって、この護摩壇を設けたのであったが、三角の鈞召火炉は、調伏の護摩壇であった。今、祈った仏は、呪詛の仏であった。 壇上の品々―....
増長天王」より 著者:吉川英治
久米一が、一世一代の製作、増長天王が彼奴の命を吹ッ込まれて、世に生れ出ようとする火炉の胎養をうけているのだ。 「こいつを、満足に火からだすのも、暗から暗にしてし....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
、おそらくジロは地炉だという学問が干渉したものである。有名な『後三年絵詞』の「地火炉ついで」の話などもあって、「地炉」に近い語は早くから知られているが、右の全国....