火照る[語句情報] » 火照る

「火照る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

火照るの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
杉子」より 著者:宮本百合子
くそよぎはじめた。 問題の中に一つ年号があって、杉子はそれが思い出せなかった。火照る頬っぺたへ手の甲をあてて、下がきの紙へ考えながら麻の葉つなぎを描いていると....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
密を隠しているらしい気振を見せた。 私は思わず身体を乗り出した。身体中の皮膚が火照るほどの異状な昂奮に包まれてしまった。 「いいですか先生……その代りに、万一....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
った。そうこうするうちに自分が人を打ってるような気持になった。――やっぱり幾らか火照るには違いないが――心は十分満足して勝ち慢って横になった。 彼は睡ってしま....
土竜」より 著者:佐左木俊郎
は父、俺、毎月五円ずつ送って寄越すから。――毎月五円ずつ。」と言って市平は、顔の火照るのを覚えた。 「そうが。ほんでは、父も辛抱して、汝あ出世して帰るまで、ほん....
鴻ノ巣女房」より 著者:矢田津世子
たりハイカラな文化草履を卸値で分けてくれたりする。ぎんの手足を綺麗だとほめて顔が火照るほど嬉しがらせたりした。 或る日、非番でぎんが寝転んでいるところへ、つづ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
る。 花崗岩帯の白い粗い土質が空のかがやきをハネ返して、かぶとの眉廂にてかてか火照る。――時はまだ午前九時半ごろか。――だのに草のある所は草いきれが燃え、ふも....