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「火矢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

火矢の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
の子供と、忘却の眠に沈んでいても、新たに水平へ現れた、我々の黒船《くろふね》の石火矢《いしびや》の音は、必ず古めかしい君等の夢を破る時があるに違いない。それまで....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
、四ツ目の提灯、蛇塚を走る稲妻、一軒家の棟を転がる人魂、狼の口の弓張月、古戦場の火矢の幻。 怨念は大鰻、古鯰、太岩魚、化ける鳥は鷺、山鳥。声は梟、山伏の吹く貝....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
グイと後に倒して、なおも嘆息を続けた。 「ああ、今度は火精か※ すると、拳銃か石火矢かい。それとも、古臭いスナイドル銃か四十二|磅砲でも向けようという寸法かね」....
島原の乱」より 著者:菊池寛
めた処が、丁度平戸沖に阿蘭陀船が碇泊しているのを知った。直ちに廻送せしめ、城へ石火矢を放たせた。阿蘭陀は当時新教でカソリック教とは新旧の違いこそあれ同じ宗教の為....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
武士数十人異船へ乗り込みいよいよ打ち払いの由に相成り候。同夜、子の刻ごろより、石火矢数百|挺打ち放し候ところ、異船よりも数十挺打ち放し候えども地方へは届き申さず....
大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
でしばり付けられて、その中から四人の射手が、松脂《まつやに》と麻緒を填《つ》めた火矢を投げるのであった。――それに対する羅馬軍の防禦はと云うと、軽装したトラキヤ....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
発したが、そのため一揆の中に二、三名は弾に当って即死した。しかも旧砲術家の用いた火矢というものも放したので、それが敵陣へ飛んで行って地上に立ってシュウシュウと火....
紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
低ともなれば、あれらはみな、死物的に固着してしまうのじゃよ。慈悲太郎、兄はいま抱火矢を使って、あの軍船と対舷砲撃を交わしてみせるわ」 それは、何物の影をも映そ....
三稜鏡」より 著者:佐左木俊郎
じりじりとあらゆるものを照りつけ続けていた。そして路面からの反射光線は室内にまで火矢のように躍り込んでいた。捜査本部では、当事者達が一台の扇風機を囲んで、汗を拭....
三国志」より 著者:吉川英治
にうつすは必然である。――時にご辺は、兵を三方にわけて、西門北門南門の三手から、火矢、鉄砲、油礫などを投げかけ、城頭一面火焔と化すとき、一斉に、兵なき東の門へ馳....
三国志」より 著者:吉川英治
しまった。 いやその程度はまだ小部分の一事変でしかない。四方の山から飛んできた火矢は、いつのまにか、谷中を火の海となし、火におわれて逃げまわる司馬懿仲達以下、....