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「火縄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

火縄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
海異記」より 著者:泉鏡花
じろりと横目に覗くと、いつも前はだけの胡坐の膝へ、台尻重く引つけ置く、三代相伝の火縄銃、のッそりと取上げて、フッと吹くと、ぱッと立つ、障子のほこりが目に入って、....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
は求めることが出来ず、空腹をかかえて駈けまわることになるのです。 燈火は蝋燭か火縄で、物をかく時は蝋燭を用い、暗夜に外出する時には火縄を用いるのですが、この火....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
ないのに頗る困った。夫のあとを尾けるつもりで出て来たのであるから、もとより松明や火縄の用意もない。妻はたまりかねて声をかけた。 「与市。手をひいてくれぬか。」 ....
真田幸村」より 著者:菊池寛
に、いろいろの荷物をつけ、百人ばかりの同勢にて、槍、なぎ刀の鞘をはずし、鉄砲には火縄をつけ、紀伊川を渡り、大阪をさして出発した。附近の百姓ども、あれよあれよと騒....
少年探偵長」より 著者:海野十三
、そうだ。ライターを持っていた」 こういうときの用心に、彼はズボンのポケットに火縄式のライターを持っていることを思いだした。そうだ。ライターで火をつけ、枯れ枝....
亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
ている。 ◇ 支那から伝来して来た竹紙という、紙を撚合せて作った火縄のようなものがあったが、これに点火されておっても、一見消えた如くで、一吹きす....
紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
錘と経緯度板をつけたままの姿であるが――ドンブリと投げ込まれたとき、火気を呼んだ火縄函が、まるで花火のような炸裂をした。かくして、その軍船は、全く戦闘力を失って....
紅白縮緬組」より 著者:国枝史郎
時にワッと湧き起こった。 忽然その時駕籠の戸が内から音もなく開けられた。プンと火縄の匂いがして、スーッと立ち出でた一人の手弱女。手に持った種ヶ島を宙に振り、や....
剣侠」より 著者:国枝史郎
アねえが二ツ弾、胸にくらって血へど立て、まくし立てながらも手に入った早業、いつか火縄に火を付けていた。 「待て待て爺」と周章狼狽、陣十郎は胆を冷し、生垣の際まで....
雪女」より 著者:岡本綺堂
すさまじく聞えた。 ここらの農家では夜も灯をともさないのが習いで、ふだんならば火縄を吊るしておくに過ぎないのであるが、今夜は客への歓待ぶりに一挺の蝋燭がテーブ....
馬妖記」より 著者:岡本綺堂
高くいなないた。それを合図のように二人はつかつかと進み寄って、袖の下に隠していた火縄を振り照らすと、その小さい火に対して相手は余りに大き過ぎるらしく、ただ真っ黒....
怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
郎は、種ヶ島の短銃を取出し……までは、好かったが、その時代のは点火式で、火打石で火縄へ火を付けて、その又火縄で口火へ付けるという、二重三重の手間の掛かる間に、金....
青蛙神」より 著者:岡本綺堂
。雨の音。 (先刻の男二人は下のかたの窓を破りて忍び入りと覚しく、第一の男は手に火縄を振り、第二の男はマッチを持っている。) 第一の男 戸締りがなかなか厳重なの....
人狼」より 著者:岡本綺堂
三郎、三十四五歳、以前は武士なれど、今は浪人して猟師となっている姿、大小を横えて火縄銃をかつぎ、小鳥二三羽をさげて出づ。) おいよ おお、戻られましたか。きょう....
二階から」より 著者:岡本綺堂
なしにしとしとという不思議の声は遠い草叢の奥にあるらしく思われたので、私は蝋燭を火縄に替えた。そうして、雨の中を根好く探して歩いたが、怪物の正体は遂に判らなかっ....