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灰殻
「灰殻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
灰殻の前後の文節・文章を表示しています。該当する4件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
迎えに来るわ。」 夫人は遂々冗談を本当に仕上げて満足そうに帰りかけたが蓋をした
灰殻壺の中の憐れっぽい子雀の籠った鳴声に気付くと流石に戻って、 ――可哀想なこと....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
ごとく悪い病気があります。またもはや一たび一人の少女に情熱を捧げて、燃えのこりの
灰殻のような心です。あなたは純潔な、その年になってまだ子供らしさのぬけないほど無....
「簔虫と蜘蛛」より 著者:寺田寅彦
の肥大な虫の汁気という汁気はことごとく吸い尽くされなめ尽くされて、ただ一つまみの
灰殻のようなものしか残っていなかった。ただあの堅い褐色の口ばしだけはそのままの形....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
、尋常に――」
と、いいつつ、大刀の柄へ、煙管を当てた。とんとん二三度叩いて、
灰殻を落した。そして、舌の先へ当てて、ぶつぶつと音させて、それから、懐の煙草をつ....