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「灰汁桶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

灰汁桶の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:芥川竜之介
で、ごろごろと春の雷《らい》が鳴った。仰向《あおむ》いて見ると、空はいつの間にか灰汁桶《あくおけ》を掻《か》きまぜたような色になって、そこから湿っぽい南風《みな....
映画時代」より 著者:寺田寅彦
見えそめて午《うま》の貝吹く」というのがある。ジャズのラッパとは別の味がある。「灰汁桶《あくおけ》のしずくやみけりきりぎりす」などはイディルレの好点景であり、「....
倫敦塔」より 著者:夏目漱石
忘れて余念もなく眺《なが》め入った。冬の初めとはいいながら物静かな日である。空は灰汁桶《あくおけ》を掻《か》き交《ま》ぜたような色をして低く塔の上に垂れ懸ってい....
連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
見つかるであろうという事は、自分自身の貧弱な体験からも想像されることである。 「灰汁桶《あくおけ》のしずくやみけりきりぎりす」「あぶらかすりて宵寝《よいね》する....
映画芸術」より 著者:寺田寅彦
ュは俳諧には普通である。有名な「古池やかわず飛び込む水の音」はもちろんであるが「灰汁桶のしずくやみけりきりぎりす」「芭蕉野分して盥に雨を聞く夜かな」「鉄砲の遠音....
かぶらずし」より 著者:中谷宇吉郎
さるみの》』に、どうもこれではないかと思われるものが顔を出している。 有名な「灰汁桶《あくおけ》」の連句の中に、去来《きょらい》の 又も大事の鮓《すし》を取出....
雷門以北」より 著者:久保田万太郎
の角の蕎麦屋の台所口とのつづいたあと、右には同じく浅倉屋の土蔵、左には、おもてに灰汁桶の置かれてあったような女髪結のうちがあった。土蔵のつづきに、間口の広い、が....