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灰神楽
「灰神楽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
灰神楽の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
、
富「申上げまする」
といいながら顛覆《ひっくりかえ》しましたから、ばっと
灰神楽《はいかぐら》が上《あが》りまして、真暗《まっくら》になりました。なれども....
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
うてますと巧《うま》く親父を欺して貰うだけのものは貰《もろ》たら、あとは廃嫡でも
灰神楽《はいかぐら》でも、その金で気楽な商売でもやって二人|末永《すえなご》う共....
「名人伝」より 著者:中島敦
なっていた。不意に火《ひ》の粉《こ》が目に飛入ろうとも、目の前に突然《とつぜん》
灰神楽《はいかぐら》が立とうとも、彼は決して目をパチつかせない。彼の瞼はもはやそ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ろへ、半七は透かさず飛び込んでその刃物をたたき落とした。葱鮪の鍋の引っくり返った
灰神楽のなかで豊吉はもろくも縄にかかって、町内の自身番へ引っ立てられた。 「やい....
「骸骨の黒穂」より 著者:夢野久作
った火鉢の上の大薬鑵に手をかけると、思い切って立上りさま天井を眼がけて投上げた。
灰神楽がドッと渦巻き起って部屋中が真白になった。思わず飛退いた巡査たちが、気が付....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
て、最中が真ッ黒になって動いている、アンペラを著た馬が、尾をバサリと振るたびに、
灰神楽をあげたように、黒いのが舞いあがる、この茶屋は車宿をしているが、蚕もやるら....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
。が、その沸騰の泡《あわ》が火の上に落ちて、そこで烈しいちんぷんかんぷんが起り、
灰神楽《はいかぐら》を立てしめることは、甚《はなは》だ不体裁でもあり、不衛生でも....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
。 そこで、一座の連中は忽《たちま》ち、以前の通りに席に戻って、身にふりかかる
灰神楽《はいかぐら》を払おうともせずに、再び座を正して、相変らず弾じつづけている....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
膳は、煙草盆《たばこぼん》を蹴倒しながら後ろの壁にすり立って濛々《もうもう》たる
灰神楽《はいかぐら》のなかに左腕の乾雲を振りかぶった左膳の姿が生き不動のように見....
「特殊部落の犯罪」より 著者:豊島与志雄
在鈎に掛け、上から水をじゃあと注ぎ込んだ。溢れた水が竈の焚き残しへ落ちて、ぱっと
灰神楽が立った。 「煮立った後の湯で洗うだよ。」 気勢を挫かれてぼんやりつっ立....
「猿ヶ京片耳伝説」より 著者:国枝史郎
娘は?」 暴風の吹いた後のように、帳場格子は折れ、硯箱はひっくりかえり、薬罐は
灰神楽をあげている店の間を、グルグル廻りながら(娘は?)と佐五衛門は、そのことば....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
うつして行って下さい」と申しました。税務署の人はその通りにしましたが、辺り一面|
灰神楽になったので、私は布切れで上り口をはたきました。 それから調書に表のガラ....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
やりと笑った藤吉、「釘抜だ、藤吉だ、神妙に頂戴するか。」 ぱっと昇《あが》った
灰神楽《はいかぐら》、富五郎が蹴った煙草盆を逃げて跳り上った釘抜藤吉、足の開きが....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
んか真先よ。――銀の波も……こうなると、水盃だわね、疾のむかし、お別れになって、
灰神楽が吹溜ったような、手づくねの蝋型に指のあとの波の形の顕われたのを、細工盤に....